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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.80
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2018  80
委員会活動報告
第4回緩和ケアを目指す看護職のセミナー開催報告
教育・研修委員会 看護職セミナーWPG
WPG員長  荒尾 晴恵
WPG委員  市原 香織、 川村 三希子、
小山 富美子、關本 翌子、
船越 政江、村木 明美、
清水 佐智子
 2018年3月18日(日)、ビジョンセンター田町において、「第4回緩和ケアを目指す看護職のセミナー」を開催しました。セミナーの目的は、緩和ケアに興味がある看護師を対象に「今後のキャリアパスの描き方を考える」です。今回は初の東京開催でしたが、全国から69名が参加し、希望を語り、悩みを分かち合う中で、自身のあり方を考え、かつ、交流を深めることができました。
 午前中は、講師による講演、認定・専門看護師からの「私のキャリアパス」の紹介、午後は、『ケア・カフェ』を導入したグループワークを主に行いました。
 講演は、医師の林 章敏先生(聖路加国際病院)、看護師の梅田 恵先生(昭和大学保健医療学部)から、「緩和ケアで大切にしていること」をお話いただきました。林先生は、患者さんに目に見える変化がみられないときでも、毎日丁寧に関わる、そこに自分が存在していることで、相手が安心感を得られることこそが大切であると話されました。また、退室時に「今、何かお手伝いすることないですか?」と尋ねることは、患者さんが遠慮なく依頼できることへ役立つとのお話があり、参加者から、明日から実践していきたいとの声が聞かれました。
 梅田先生は、大切にしていることとして、「Innovation(革新)」「Professionalism(専門性)」「Nature(看護の本質/基盤)」の3つを提示されました。イギリス研修から戻ってきた際に「日本にないシステムをつくるぞ」「日本でなされてないケアをやってみるぞ」と意気込んでいたと伺い、壁があってもそれを乗り越え、常に前進し続ける梅田先生をまさに表す言葉と感じました。看護師の主体性、専門性についてのお話からは、看護職として何ができるか、何をどう変えていけるかを常に意識することの重要性が話されました。看護の機能や緩和ケアが当たり前にある社会を目指し、さらに活躍していくと締めくくられ、参加者と共に、自ら道を切り開いていくことの重要性を再認識する機会となりました。
 「私のキャリアパス」では、緩和ケアを目指した理由、緩和ケアの魅力、困難の乗り越え方、などをお話いただきました。がん看護専門看護師の矢野 和美氏(東京逓信病院)からは、「Do & think」のポリシーで、とにかくやってみる、失敗はきちんと振り返り、同じ失敗をしないよう常に改善を重ねるとの話がありました。緩和ケア認定看護師の木村 芳子氏(国立がんセンター東病院)からは、認定・専門看護師を目指す際には、所属組織にどう貢献したいか、できるのか、まで考えて希望すること、また、内省の重要性が話されました。訪問看護専門看護師の船越 政江氏(訪問看護ステーションわたぼうし)からは、自らの関わりにより、患者さんが生きる意味を見出すことができる、生きる意味が深まったときに喜びを感じたとのお話がありました。3名の歩んできた道や今後の展望に関するお話から刺激を受け、勇気を得た参加者が多く見受けられました。
 午後のグループワークには講師も参加し、ワールドカフェ形式で、「緩和ケアで大切にしていること、していきたいこと」を互いに熱く語り合いました。
事後アンケートでは、すべての項目で参加者の90%以上が、有用であったと回答し、自由記述では、「改めて緩和ケアの大切さや良さに気付けた」「いろいろな人と話ができて嬉しかった」「あきらめず前に進みたい」「自分の進むべき方向が見いだせた」などの意見があり、この研修が緩和ケアをめざす看護師にとって有意義であることを確認できました。
 本セミナーの参加経験が、自分が目指したい姿に近づけることの手助けとなり、一人でも多くの患者さん・ご家族によりよいケアが提供できますよう、WPG関係者一同、心より願っております。

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