line
Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.80
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2018  80
Journal Club
臨死期(死亡前数日)にある患者の看取りのケアのプロセスと
アウトカム評価尺度遺族版の開発
国立研究開発法人国立がん研究センター
先端医療開発センター精神腫瘍学開発分野
菅野 雄介
Kanno Y, Sato K, Shimizu M, Funamizu Y, Andoh H, Kishino M, Senaga T, Takahashi T, Miyashita M.Validity and Reliability of the Dying Care Process and Outcome Scales Before and After Death From the Bereaved Family Members' Perspective. Am J Hosp Palliat Care. 2018 Jan 1:1049909118785178.

【目的】
 遺族による臨死期(死亡前数日)の看取りのケアの質を評価できる尺度として、看取りのケアプロセス評価尺度と看取りのケアアウトカム評価尺度を開発し、信頼性と妥当性を検証する。
【方法】
 全国の一般病棟3施設、緩和ケア病棟2施設において、がんで死亡した患者の遺族345名を対象に、2013年1月〜3月に郵送法による自記式質問紙調査を実施した。調査から1カ月後に信頼性検証のための再調査を行った。
【結果】
 探索的因子分析の結果、臨死期の看取りのケアプロセス評価尺度(the Dying Care Process Scale for Bereaved Family Members: DPS-B)は、「症状緩和」、「尊厳」、「説明」、「家族ケア」の4ドメイン8項目が抽出された。また、臨死期の看取りのケアアウトカム評価尺度(the Dying Care Outcome Scale for Bereaved Family Members:DOS-B)は、「症状緩和」、「尊厳」、「患者との関係性」、「医療者との関係性」の4ドメイン8項目が抽出された。両尺度は、内的一貫性(DPS-B:α=0.91, 各ドメイン0.78-0.91;DOS-B:α=0.91, 0.78-0.94)、再テスト信頼性(DPS-B: intraclass correlation coefficient [ICC]=0.79,各ドメイン=0.55-0.79; DOS-B: ICC=0.88, 0.70-0.88)、Multi-trait分析により収束妥当性と弁別妥当性、既知尺度との併存妥当性、既知集団妥当性が確認された。
【結論】
 遺族の視点から臨死期の看取りのケアの質を評価するためのケアプロセス評価尺度(DPS-B)とケアアウトカム評価尺度(DOS-B)の2つの尺度が開発され、信頼性と妥当性が示された。これらの評価尺度は、遺族調査において臨死期の看取りのケアの実態を評価する際に活用でき、また、臨死期の看取りのケアに関する教育介入の評価にも活用できるだろう。
【コメント】
 臨死期の看取りのケアにおいて、ケアを受けた側とケアを提供した側からケアプロセスやアウトカムを評価することは、ケアの質を維持し、がん患者や家族のQuality of Lifeの向上に重要である。今回、遺族の視点から評価できる尺度を開発したが、看護師の視点から評価できる尺度も開発している(Kanno Y, et al. J Hosp Palliat Nurs 2018. [in press])。これらの尺度は、今後、緩和ケアに関する尺度HP(http://www.pctool.umin.jp/frame.html)に掲載される予定である。

Close