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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.80
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2018  80
理事就任挨拶
理事就任ご挨拶
慶應義塾大学医学部 麻酔学教室
慶應義塾大学病院 緩和ケアセンター
橋口 さおり


 このたび、理事に選出いただきました。ご支援いただいた皆様には深く感謝申し上げます。
 今期は倫理・利益相反委員会の委員長を拝命いたしました。医療は、受け手である患者さんやご家族に最大限のメリットがあるように提供されるべきものですし、最良の医療を提供するためには医学の発展は欠かせません。近年、緩和医療においても様々な研究が行われていますが、研究倫理には細心の注意を払わなければなりません。今年から臨床研究法が施行されていますし、患者さんの個人情報についての配慮も、さらに厳しくみられるようになりました。一見、厳しすぎるようにもみえる研究倫理ですが、患者さんの権利を守り、研究が患者さんの不利益にならないように、研究者には最大限の努力が求められています。研究を立案し、成果発表としての学会発表や論文作成まで、気を緩めることはできません。また利益相反についても、よく理解していただきたいと思います。研究の実施にあたっては資金が必要ですが、競争的資金の獲得は年々難しくなり、使途の監査も厳しくなっているのが現状です。一方、産学協働は医学においても重要で、良質な資金が供給されない分野はなかなか発展しません。利益相反は、研究協力者の理解や判断に影響を及ぼす可能性がある、研究課題内外の資金・個人フィー・便益提供などについて、適切な情報を開示するために行われます。資金を得るのが悪なのではなく、適切な管理と配慮、公開が求められています。倫理規定の順守も、利益相反開示も医学が発展する中で起こった負の歴史を、繰り返すことがないように形にしてきたものです。倫理・利益相反は、結局のところ、「それって、人としてどうよ?」の部分を、学術集団として適切に管理し、内外に示し、ステイタスを高める仕事だと考えております。なお、専門医・認定医関連については、制度検討を中心に引き続き仕事をさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

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