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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.80
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2018  80
理事就任挨拶


佐賀県医療センター好生館 緩和ケア科
小杉 寿文
 

 このたび、日本緩和医療学会の理事を拝命いたしました。微力ではございますが、緩和ケアの普及と発展に皆様方とご一緒させて頂きたいと思います。どうかよろしくお願い申し上げます。
 私は麻酔科医で、ペインクリニックの専門医であります。がん性疼痛が臨床と研究の専門領域になります。オピオイドを中心に鎮痛薬の臨床研究やくも膜下鎮痛法などの神経ブロックを積極的に行うことによって質の高い鎮痛を確保し、生活の質を高めることを最終目標としております。我が国で、少なくとも痛みが原因で鎮静をする必要がないように、痛みの専門医として技術の向上と普及、地域連携を目指したいと思います。
 しかし、痛みだけを診療しているわけではなく、死に向き合うことの重要性、死に向き合うための教育にも力を入れております。佐賀県医療センター好生館緩和ケア病棟では、介護施設職員の看取り研修を行っています。我々と一緒に日常のケアに参加して頂き、看取りの過程を共に歩んでいただくことによって、死を自然なものとして感じていただけるのではないかと考えて取り組みを始めました。また、その研修参加者の施設に出向いて看取りのワークショップを開催し、住み慣れた施設で最期まで過ごすことができるように一緒に考える試みも行っています。研修医や医学生、看護学生、ボランティアに病棟に来ていただくことによっても、学びの場として地域に開かれたホスピス・緩和ケア病棟にしたいと思っております。日本緩和医療学会はサイエンスを基にエビデンスをつくり、普及を目指す使命を担っていますが、介護士の参加はほとんど無く、看護以外のケアについては発展途上と言えるでしょう。高齢化した我が国では医療から介護へのシフトは待ってくれません。「医療」以外の「ケア」に対して、もっと開かれた日本緩和医療学会を夢見ています。

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