line
Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.78
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2018  78
学会印象記
死までの生を生きる
−精神腫瘍学・死生学ができること−
埼玉医科大学国際医療センター
精神腫瘍科  石田 真弓
 2017年10月14・15日、東京・品川で第30回日本サイコオンコロジー学会総会、第23回日本臨床死生学会総会合同大会が埼玉医科大学国際医療センター・精神腫瘍科教授、大西 秀樹大会長のもと開催されました。
 サイコオンコロジーは、「こころ」と「がん」を研究する学問であり、緩和医療学との関係も深く、両者は車の両輪といっても過言ではないでしょう。
 一方、臨床死生学という言葉は聞きなれないかもしれません。「臨床」という言葉は、本義は文字通り「(病める人や死に逝く人の)床に臨む」という意味です。生まれてから どこかで大小の花を咲かせながら死への道を確実に 歩んでいく運命にあるわれわれにとって、あらゆる場所や 状況が「死の床」であり、そこに「臨み」、そしてその人にかかわっていくのが「臨床死生学」なのです。〔日本臨床死生学会理事長、飯森 眞喜雄(東京医科大学名誉教授)による。〕
 この合同大会は、「死までの生を生きる」私たちに学びをもたらし、いつか自分の前に現れる病気と死。いかなる時も精一杯生きるためどうすべきか、今何ができるのか。共に考える機会になりました。
本大会では、「Gifts from the SORA」として、小児がんで空へと旅立った子どもたちの作品と子どもの服から生まれたテディベアをご遺族に展示していただく企画を用意しました。
 また、市民公開講座では、コシノジュンコ氏(デザイナー)の講演と大会長の「いまを生きる」対談が行われました。「死ぬまで未来はある。例え1年であろうと10年であろうと、未来は未来。その間、いかに充実して楽しむか。未来はだれも見たことがない。未来は見えない。でも過去はしっかりと証拠がある。過去は変えられない。過去はクリエイティブにはできない。未来は何をやっても自由。だからやればいいんです。やるためには、人と会うのが大事。人との出会いって大変クリエイティブなことなんです。」今合同大会開催は、「今を生きる」人たちとの貴重な出会いになったのではないでしょうか。

Close