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Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.78
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2018  78
Journal Club
経口抗がん剤の副作用および治療計画外中断に関する患者教育プログラムの効果:
クラスター無作為化試験
名古屋大学大学院医学系研究科
看護学専攻基礎・臨床看護学講座  杉村 鮎美

Riese C, Weiß B, Borges U Jr, Beylich A, Dengler R, Hermes-Moll K, Welslau M, Baumann W. Effectiveness of a standardized patient education program on therapy-related side effects and unplanned therapy interruptions in oral cancer therapy: a cluster-randomized controlled trial. Support Care Cancer. 2017 Nov;25(11):3475-3483. PMID:28597253

【目的】
 近年、経口抗がん薬の使用が増加しているが、その内服や副作用管理は患者自身の継続的な自己管理に任されている。しかし、治療開始時の患者は、医療者の説明を正確に理解することは難しい状況にあり、内服に関する教育的支援が必要である。そこで、本研究は、経口抗がん剤内服患者に対する看護師による支援プログラムの効果を明らかにすることを目的とした。
【方法】
 研究に同意を得られた28施設165名の患者を看護師による支援プログラム群(介入群)と通常ケア群(対照群)に割り当てた。対象は、@経口抗がん剤の初回投与であるAその他の抗癌剤を使用していないBホルモン療法を受けている者(転移性乳がんまたは転移を有する患者のみ)とした。介入群は、薬物治療の知識や内服習慣の動機づけを促す技術の訓練を受けた看護師による1回30分〜45分の計4回(T1:治療開始後2週、T2:4週、T3:8週、T4:12週)に薬理作用や副作用予防法の教育介入が行われた。対照群は、外来受診時に医師から薬物に関する説明が行われた。介入効果は、患者が日記に記載した副作用の発生回数、治療計画外中断を各期に評価した。
【結果】
 ベースラインは、介入群111名、対照群54名が参加し、全プログラム終了者は、介入群58名、対照群40名であった。主疾患は、大腸がん、骨髄増殖性腫瘍、乳がん、肺がんであった。副作用は、T3の介入群で皮膚症状が有意に少なく(p=0.02)、その他の期および症状に差は認められなかった。また、介入群は、対照群に比して、T1における患者自身による治療計画外中断が少なかった(OR:0.14, 95%CI:0.03-0.69, p=0.01)。
【結論】
 経口抗がん剤内服患者に対する看護師による介入は、副作用の改善に有効であった。
【コメント】
 本研究で、経口抗がん剤治療を受ける患者に対する看護師の支援プログラムは、内服開始初期の患者自身による内服中断の防止と開始2カ月時の皮膚障害予防に効果があることが明らかとなった。しかし、本研究では、副作用の重症度や使用薬剤による効果の違いは、評価されておらず、本プログラムの実用化には、さらなる調査が望まれる。また、介入群の約半数がプログラムの途中で離脱していることから、実施可能性についても検討が必要と考える。

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