Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.63
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2014  63
学会印象記
第28回日本がん看護学会学術集会に参加して
地方独立行政法人神奈川県立病院機構 神奈川県立がんセンター
副院長兼看護局長  渡邉 眞理
 2014年2月8日(土)〜2月9日(日)に新潟県の朱鷺メッセで開催された第28回日本がん看護学会学術集会に参加しました。学術集会1日目は関東で記録的な大雪となり、交通網に大きな影響が出たにもかかわらず学術集会参加者数は合計3,808名と盛会となりました。
 本学術集会のテーマは「暮らす」を考えるがん看護−知・技・倫の融合−でした。このテーマには、がん患者が治療を続けながら、日常生活はもちろん仕事や社会生活も「できる限り今までと変わりなくおくる」ことを望んでいること。生活者として主体的に「暮らす」がん患者を支えるための看護師の技術や役割(実践)、その根底に流れる高い倫理観を培うことを大切にするといった思いが込められていました。
 開会式の後に本学術集会長である新潟県立がんセンター新潟病院の看護部長の佐藤順子氏より会長講演がありました。特別講演1では教育評論家である尾木直樹氏より「心が元気になる共感論−がんとともに暮らす人に寄り添って−」というテーマでの講演、また2日目の特別講演2では精神科医 名越康文氏による「心が軽くなる知と技−生きる希望、生きる意味を考える−」というテーマでの講演があり、いずれも会場が活気に包まれました。
 一般口演演題152演題、示説演題310演題、計462演題が活発に発表されていました。
 私は2日目のパネルディスカッションで「「暮らす」を支えるがん看護の知・技・倫−がん患者の療養支援の現状と展望−」というテーマのもと、新潟県立看護大学の酒井禎子准教授と共に座長を担当いたしました。がん患者が治療やケアを継続しながら「暮らす」ことを支えるコミュニティのあり方や現実に即した改題について意見交換がなされました。
 教育講演では「がんとお金」「生きていく希望を支えるケアリング」「生命の継続−遺伝性がん看護−」等のがん患者の生活の視点とがん看護の本質について考えさせられました。新たな取り組みの紹介も多くありましたが、全体的に新潟のほっこりとした温かさを感じる学術集会でした。次期学術集会長となる私は身の引き締まる思いがしました。

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