Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.63
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2014  63
学会印象記
第29回日本静脈経腸栄養学会
医療法人 東札幌病院 薬剤課  和泉 早智子
 2014年2月27、28日の2日間、横浜で第29回日本静脈経腸栄養学会が開催されました。日本緩和医療学会と同様、多くの職種により構成された学会であり、2014年現在約2万人にも会員数が及ぶそうです。今回は「志学創新」のテーマのもと、参加者は1万人を超え、各会場では演者と聴衆の人たちの熱気で学会がより盛り上がっていたように思えます。
 印象に残っているワークショップの1つに高齢者のPolypharmacy対策を行っている施設の発表がありました。薬剤師の立場から疾病に対する使用薬剤のアウトカムを立て、実際の症状に必要な投与であるかを検討しているというものでした。薬剤の影響によって食事に向かえなくなっていることもあるようです。実際、薬剤の内服によって患者の症状が安定していれば内服継続、そして病状の悪化によって突然内服中止になってしまうことも多くあるのが現状かと思います。薬剤を使用する上で、十分な効果を得ること、また副作用の可能性を常に考える、薬剤師として基本的な事でありますが、使用薬剤の整理を提案していく必要性を改めて気づかされた時間でした。
 また、今回は日本緩和医療学会と日本静脈経腸栄養学会の合同シンポジウムが開催されました。パシフィコ横浜の会議センター1階のメインホール1000名収容人数の会場に人があふれ、通路にまで人が座り込み聞き入るという状況からも、多くの医療者が緩和医療と栄養に興味を持っていることが伺えました。主題はがん患者における代謝・栄養管理で、実際に終末期患者に栄養管理を行っている先生方からの講演は、日々の臨床で参考になることばかりで約2時間のシンポジウムはすごく短時間に感じられました。6月に開催される第20回日本緩和医療学会では同様の合同シンポジウムが企画されているとのことです。
 私はいつも緩和医療に関連した学会にしか参加していませんでしたが、日々の薬剤師業務で行うべきこと、また、栄養療法のヒントをたくさん得て帰ってくることができました。人の多さには困りましたが、本当に参加して大満足な静脈経腸栄養学会でした。

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