Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.63
日本緩和医療学会ニューズレター
May 2014  63
Current Insight
海外におけるがん患者支援
Massachusetts General Hospital /慶應義塾大学  藤澤 大介
 米国ボストンのMassachusetts General Hospitalで、がん患者さん・ご家族の支援センターを視察する機会を得ましたのでご報告いたします。
 このセンターは同院のがんセンターの一角にあり、個別相談を受け付けるほか、病気や治療に関するパンフレットや書籍(貸出可)、検索用のパソコン、ソファやコーヒーマシンのあるちょっとした休憩スペースがあります。Wellness Program と呼ばれるたくさんのプログラムを運営しています(www.massgeneral.org/cancer/hopes/)。同じ病気を持った患者さん同士を紹介するマッチングプログラムもあります。以下にその一部を紹介します。

アート・セラピー
 アートセラピストによるコラージュ、絵、工作、編み物など。アートを通じて、患者さんが心の内を語れる手助けをすることが目的とのことです。同じ目的で、音楽療法や、作文による自己表出グループもあります。
ヨガ・気功
 いずれも第一の目的はリラクセーションですが、内容は参加者の構成により変わります。ヨガのプログラムでは各回、常に一番繊細な人(初心者、体調が悪い人など)のレベルに合わせたプログラムとなるよう配慮しているとのことです。気功は動きがゆっくりなため、ヨガよりも高齢の参加者が目立ちました。
霊気療法
 霊気療法は代替医療の一つとして重宝されています。看護師資格を持つスタッフが霊気療法の資格を取り、現在は院内の霊気療法専門家としてグループ療法と個人療法を実施していました。最も多い依頼は化学療法などの処置前の不安・緊張の緩和であり、患者さんの緊張がほぐれて血管確保がしやすくなるので看護師からの依頼が多いそうです。
スピリチュアル・カウンセリング
 チャプレンによるスピリチュアルカウンセリング。宗教に関係なく、個々人が持っている信念体系の中に、がんの体験をどう位置付けるかを目標とします。スピリチュアリティーを刺激するいろいろな仕掛け(詩、文章、Labyrinth など)を用います。
鍼治療
 鍼灸療法は、がんやがん治療に伴うさまざまな症状緩和に役立つことがわかっています。グループでの簡単な鍼灸療法の紹介のほか、1時間56ドルの個人療法を提供しています。
教育セッション
・化学療法教育(初めて化学療法を受ける人への教育セッション)
・栄養士による栄養教育(“Fighting Cancer with your Fork”)
・運動療法の紹介(簡単な導入)
・代理意思決定者の手続きについての教育
・患者さんのご家族・友人のための教育
・子供を持つがん患者さんのための教育セッション(Parenting at a Challenging Time:PACT)など
サポートグループ
 脳腫瘍、肺・食道がん、前立腺がん、頭頸部がん、甲状腺がん、放射線療法、骨髄移植、若年世代(20-40歳)、の各グループ。

 文化や医療事情が異なる国でのプログラムですので、一律に真似するわけにはいかないと思いますが、参考になるものがあれば幸いです。

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