Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.62
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2014  62
学会印象記
第15回アジア静脈経腸栄養学会参加印象記
藤田保健衛生大学 医学部外科・緩和医療学講座  二村 昭彦
 PENSA (Parenteral and Enteral Nutrition Society of Asia:アジア静脈経腸栄養学会)は、現在アジアを中心に9カ国が加盟するPEN society の1つで、今年、第15回目を迎える学術集会が2013年9月27日から29日にかけて、インドネシアのバリ島にあるDiscovery Kartika Plaza Hotel において開催されました。本講座からは、東口志教授、森直治准教授とともに3名で参加させていただきました。“Nutrition in Clinical Practice to Improve Patient Outcome: From Supportive to Therapy”のテーマのもと、アジアの栄養療法の重要性を知る医療人が一同に会して、熱いディスカッションが交わされました。プログラムは、7つの基調講演、4つの教育講演、10の要望セッションに口頭発表、ポスター発表で構成されており、日本でも開催されているヨーロッパ静脈経腸栄養学会の教育プログラム Life Long Learning (LLL)が学会前に開催されるなど、教育色の強いプログラムとなっていました。がん患者の栄養管理、悪液質に関しても、加齢による筋肉減少Sarcopenia とともに焦点があてられ、がんにおける食欲不振の研究の第一人者であるAlessandro Lavino 先生(Italy)のご講演をはじめ、European Palliative Care Research Collaborative(EPCRC)の悪液質ガイドラインのエキスパートパネリストであるRemy F.Meier 先生(Switzerland)、Alastair Forbes 先生(England)らが、日本静脈経腸栄養学会(JSPEN)理事長 東口志先生や、米国静脈経腸栄養学会(ASPEN)理事長 Ainsley Malone 先生(米国)らとともに教育講演や座長を担当されました。発表演題数は、日本からが最も多く、閉会に際し行われた表彰式では、Best FreeOral Presenterに大久保病院外科の丸山道生先生が、Best Free Paper Poster Presenter に藤田保健衛生大学医学部外科・緩和医療学講座准教授の森直治先生が選ばれ、数のみならず質でも、アジアにおける臨床栄養をリードしていると思われました。世界一の会員数を有する臨床栄養の学会JSPENを背景とした日本の栄養に関する知識や技術、研究の質の高さをアジアならびに世界各国の先生方に広くアピールできたのではないかと思います。また、別会場にて、Pharmacists & Dietician/Nurses-Conjunction track というプログラムが企画されていました。そこでは、日本においても議論となる注射剤の配合変化や輸液ラインフィルター、輸液自動混合器、経管チューブ閉塞に関する最新の論文やトピックスが紹介されていました。今回、海外での発表と視察を兼ねた3日間でしたが、私にとって国際交流の一端を学ぶ大変貴重な経験となりました。そして、この経験を次の第16回の学術集会につなげたいと思います。第16回PENSA は、日本静脈経腸栄養学会理事長 東口志大会長のもと、2015年7月24日から26日にかけて、名古屋国際会議場において開催されます。日本緩和医療学会の会員諸氏にもがん緩和医療における栄養に関する演題発表を期待したいと思います。

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