Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
学会印象記
第26回日本サイコオンコロジー学会総会・研修セミナーに参加して
前橋赤十字病院 かんわ支援チーム  北爪 ひかり
 2013年9月19日に日本サイコオンコロジー学会研修セミナーが大阪で行われた。今回は「怒り」がテーマであった。私は緩和ケアチームで専従看護師として活動しているが、日頃、患者家族の怒りへの対応に苦慮しており、とてもタイムリーで興味のあるテーマであったため参加した。参加してみると、私以外にも「怒り」への対応に困っている方が多くいることが分かり、現場のニードに沿ったテーマや内容であることを感じた。
 研修ではオンコロジストの先生方からの講義があり、その講義内容をもとにグループで事例検討を行った。グループは緩和ケアチームという設定で、患者のアセスメントのみでなく、依頼した主治医や病棟へどのように働きかけるかというところまで考えるもので、とても具体的だった。怒りのアセスメントに関しては、まずせん妄などの器質的な原因からアセスメントし、一つ一つ除外していき正常心理かどうかを判断するというものであった。また、怒りの原因が器質的か、心理的かどうかで対応方法も変わってくるということも学んだ。今までは怒りのアセスメントが漠然としていたが、順序立てて考える方法を知り、考えを整理することができた。
 また、「患者の怒りへの対応」として、推奨される対応、“してはいけない”対応を学ぶことが出来た。その中で印象に残っているのは「忍耐と寛容に努める」ということだ。患者の怒りに向き合うことは非常に労力を必要とすることであり、時には自分自身への無力感を抱くこともある。そうすると「すぐに何とかしたい/何とかならないか」と状況を変えたくなってしまうが、まずは忍耐と寛容に努めていくことが大切であると学んだ。また、経験豊富なファシリテーターの先生方が苦労しながらも忍耐と寛容に努めて対応されている話を聞き、心強さを感じると同時に私自身も現場で実践していきたいという思いになった。
 今回は看護師の参加が一番多かったが、医師、ソーシャルワーカー、理学療法士等の多職種の参加があった。事例検討においても、それぞれの職種からの意見や経験を聞くことで新たな気付きを得ることができた。今後の研修セミナーにおいて更に多くのメディカルスタッフが参加し、共にサイコオンコロジーへの理解を深められたらと思う。

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