Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
一般演題
優秀ポスター3
座長・報告  川崎医科大学 臨床腫瘍学  山口 佳之
座長  医療法人社団 東札幌病院 緩和ケア科  小池 和彦
 本セッションには7演題が採択された。
 『早期からの緩和ケアの重要性』について三友堂病院 木村彩氏より発表された。早期からの介入によって、患者の希望する在宅への支援が向上することが報告された。背景として、ではどのようにして患者の希望を知るか、真実の告知をどうするか、ツールの必要性などがあらためて議論となった。
 『遺族によるケアの質の評価に関する研究J-HOPE2-study』についてJ-HOPE2運営委員会東北大学 清水恵氏より発表された。ケアの評価はその質向上に不可欠であるが、現場的には簡単ではなく継続課題である。今回、遺族を対象とした膨大な質問調査が実施され発表された。幸いにして、現在のケアが高く評価された結果であった。評価システムの開発が望まれる。
 『緩和ケアチームの今後の活動』について山形市立病院 色摩慶子氏より発表された。院内で統一した痛みの観察シートを作成したことによって、疼痛ケアの質向上とチームの院内への浸透という好影響が認められた。院内にとどまらず地域への拡大が期待された。
 『外来患者の電話相談の現状』について函館五稜郭病院 高橋玲子氏より発表された。短時間の外来での疼痛ケアの対応を補うものとして電話相談は有用で、看護師対応のみが大部分であるなど、報告された。対応が報われるよう、今後の行政の手厚い見直しに期待したい。
 『ALSの終末期苦痛緩和』について柳井医療センター 八本久仁子氏より発表された。がん性疼痛のオピオイドより少ない量で苦痛の緩和が可能であり、患者・家族の偏見をなくし、積極的な導入を考慮することの重要性が指摘された。経験のない筆者には貴重な報告であった。
 『非がん患者における緩和ケア』として、山梨大学 熊倉康友氏より3年間の施設での現状について、聖隷横浜病院 根岸恵氏より慢性心不全患者に対する介入について、それぞれ発表された。必要性が増している一方、現場的な知識や技術、スキル、および行政的対応において、諸外国より遅れているケア対象である。今後、益々開かれていかねばならないケア領域と感じさせられた。
 以上、いずれ劣らぬ優秀な発表で、聴衆に大いに資するものであった。

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