Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
一般演題
優秀ポスター2
座長・演者  東札幌病院 内科  照井  健
座長  鳥取市立病院 診療部、地域医療総合支援センター  足立 誠司
 このセッションのいずれもが優秀ポスター賞に相応しい内容であった。
 宮下氏らは、「2010年の全死亡およびがん死亡の都道府県別自宅死亡割合と医療社会的指標の地域相関分析」において在宅死亡割合に及ぼす因子の分析を試みた。がん患者の在宅死亡割合には在宅療養支援診療所における看取り数が最も大きな因子であることを報告した。病院数・病床数などの病院施設リソースの要因よりも在宅医療体制の充実度ががん患者の在宅での看取りには関与していると考察した。
 前田氏らは、在宅緩和ケアの高い専門性を有した薬局(PCP : Palliative Care Pharmacy)の所在や機能を明らかにしてデータベース化してそのメーリングリストを作成した。在宅緩和ケアに携わる医師が求めるPCPの機能が現状と乖離している部分もあるが、PCPは在宅緩和ケアを支える大切な機能であり、その増加が必要であると考察した。
 小林氏らは、京都府でのオピオイド系鎮痛薬を扱う薬局の実際を調査した。服薬指導は患者さんの情報不足の中での説明であることが難点であり、今後副作用ばかりでなくレスキュー使用の確認にも取り組むべきとした。また、麻薬小売業者間譲渡許可は可能になっているものの麻薬不動金額が高いことが薬局の負担となっていることを指摘した。
 五十嵐氏らは、死亡票の分析によりがん患者の死亡場所が病院死90.4%、在宅死7.8%、施設死1.4%であり、疾患分類では乳腺や泌尿器といった比較的長期生存が見込める疾患で施設死が多いということを見出した。
 渡邉氏らは、在宅緩和ケアを担う訪問看護師の育成に役立つ教育プログラムの基礎資料を作成するにあたり必要な10の項目を示した。また、講義だけでなく実習を含めた教育プログラムの開発が必要であるとした。
 大谷氏らは、がんセンターの緩和ケアチームが月に1回、地域へ出張訪問する形で在宅医療を担う医療機関の医師と顔を合わせることで、地域における緩和ケアコンサルテーションチームを構築し、緩和ケアに関する医療者の困難感を軽減することを示した。
 内野氏らは、がん診療拠点病院、在宅ホスピス、施設ホスピスが一堂に会して、互いに共有した症例を取り上げてデスカンファランスをすることが、がん治療期からの切れ目のない地域緩和ケアの普及に役立つことを示した。

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