Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
口演44
リンパ浮腫治療
座長・報告  公益財団法人田附興風会 医学研究所 北野病院 看護部   鎗野 りか
 第1席は、リンパ浮腫患者に対するQOL評価としてSF-36を用いて、リンパ浮腫治療に関する治療反応性効果を評価した結果、リンパ浮腫の改善が得られても、SF-36下位項目の高い反応が無いことから、浮腫の改善が治療効果を反映する指標としては十分ではないことが報告された。
 第2席は、リンパ浮腫における複合的理学療法の1つである圧迫療法を、患者状態に合わせ弱圧で実施した結果、効果が得られたケースについて報告され、今後の弱圧弾性着衣の可能性について示唆された。
 第3席は、炎症所見があるリンパ浮腫患者3例に対して、皮膚状態を整え冷罨法などにより熱感へのケアを行いながら、低圧での圧迫療法を継続したことで、炎症症状および浮腫の軽減に繋がったケースについて報告された。
 第4席は、腎不全を合併し、抗菌薬の使用困難な子宮がん術後患者の、下腿リンパ管炎の局所感染コントロールのために、局所洗浄と銀含有ハイドロファイバーを使用してリンパ管炎が改善した1例について報告された。
 第5席は、邦人女性のインピーダンス指標の標準値についての調査が報告された。結果、インピーダンス指標標準値はBMI別に設定する必要性があることが示唆された。今後は標準値を使用しリンパ浮腫早期発見に対する有用性の検討が予定されているという点で注目された。
 治療の合併症であるリンパ浮腫に注目度が高まる中で、様々な視点でのアプローチが実践・研究され、今後さらにそれらが進められることから、患者のQOLの向上に向けたケアがますます充実されていくことが実感できた。

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