Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
口演36
地域連携3
座長・報告   医療法人 東札幌病院 看護部  長谷川 美栄子
 本セッションでは地域連携に関する5題の発表が行なわれた。
 演題1.千葉県がんセンターの坂下 美彦先生は、在宅緩和ケア地域連携パスを適用した241件の転帰を調査し、在宅緩和ケアの現状と病院の役割について報告された。在宅死は約6割で在宅期間は平均2ヶ月弱、連携後の入院は4 割で入院死の在院期間は約7日と短い。病院の後方支援も明確にして、がん患者が安心して自宅で暮らすことができていた。
 演題2.バプテスト在宅ホスピス緩和ケアクリニックの渡辺 剛先生は、京都市のがん診療連携拠点病院7院からの紹介患者を調査し、シームレスな緩和ケア移行のための要因として早期からの緩和ケア導入が挙げられることと在宅ケアの普及が肝心と述べられた。
 演題3.熊本赤十字病院の吉田 稔先生は、5年間に渡り地域で緩和ケアに従事する医師や看護師、多職種と顔の見える関係を築くために、緩和ケア回診同行、合同の症例検討、相互に講演会の講師を務める等を実践され、成果として院内死亡率の低下、逆紹介例の増加が挙げられた。
 演題4.愛知県がんセンター愛知病院の橋本 淳先生は、院内で地域がんサポートチームを創り、がん患者の自宅を訪問して在宅医や訪問看護師等と共に在宅療養を支援する活動の成果を述べられ、緩和ケア病棟からの在宅移行、在宅看取りが促進された可能性が示唆された。
 演題5.神戸大学医学部附属病院の坂下 明大先生は、大学病院の医師は地域連携で何を困難に感じているのかを明らかにするためにアンケート調査を行ない、在宅医療についての知識や経験の不足、在宅医との顔の見える連携の不足が支障になっていると考察された。
 「地域連携3」では、在宅でQOLの高い暮らしや自然な看取りの実現、また、安心して自宅で過ごせるための地域連携を推進させる熱心な実践活動が報告された。会場の参加者と共に有意義な学びの場となった。

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