Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
口演33
リハビリテーション2
座長・報告  千葉県立保健医療大学 健康科学部 リハビリテーション学科  安部 能成
座長  手稲渓仁会病院  中山 紀子
 がん患者のみならず、緩和医療におけるリハビリテーションの重要性は高まる一方である。本口演では、このテーマに関連した8つの発表があった。第1席の山崎祐子先生は、緩和ケア病棟における理学療法の実践について物理療法の中でも温泉療法に注目され、骨転移のある前立腺がんで対麻痺を呈する患者への浮力を利用した取り組みを発表された。第2席の池端隆一先生は、機能的自立度評価法を使用した終末期がん患者の日常生活動作自立度の調査報告を統計的手法でされたが、対象19症例であった。第3席の岩城基先生は、肺がんと慢性呼吸器疾患における終末期リハビリテーションの検討についてがんと非がんの150症例を用いて対比的に発表され、エビデンスの重要性を指摘された。第4席の畑慶弥先生は、がん保存療法に対するリハビリテーション効果について、廃用症候群の予防によるADL維持、ならびにPS維持の観点から発表された。第5席の大野綾先生は、がんが主病名で嚥下リハ依頼のあった58症例を対象に、病態理解とそれに基づく対応を踏まえて、進行期・終末期がん患者における嚥下障害に関する検討を発表された。第6席の三原絵美先生は、終末期がん患者に対する訪問リハビリテーションの役割について、医療と介護とを有機的に結び付ける在宅リハビリのもつ意義について発表された。第7席の福永浩明先生は、進行終末期がん患者における理学療法の役割について、「歩くこと」の意味の観点から再検討し、「生きる希望」に至るスケールの大きな考察を発表された。第8席の西山菜々子先生は、緩和ケアリハビリテーションにおける患者の希望表明の時期についての検討において、一般に考えられるよりも早期であることを実例で示された。土曜日の午前中にリハビリテーションに関するセッションが2つ連続したためか、発表会場は立ち見どころか、会場から溢れ出てしまう始末で、御足労をいただいた皆様に御迷惑をおかけした。充実した発表が多かっただけに誠に残念であった。

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