Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
口演24
教育
座長・報告  佐久総合病院 緩和ケア科  山 本  亮
座長   鹿児島大学医学部 保健学科  清水佐智子
 緩和ケア教育は重要であり、その対象も医療従事者だけではない。教育効果を測定することは難しいが、本大会でも多くの研究結果が報告された。
 多職種を対象とした研究は2題あった。岡本氏は、PEACEプロジェクトの「死が近づいたとき」モジュールを利用した「死」をテーマにした研修会の有用性について報告した。研修会を行うことで精神的負担が軽減する可能性があると結論づけた。久須美氏は、骨転移に対する教育映画「骨メタ劇場」を作成・上映した経過とその効果について報告した。プロジェクトを運営するプロセス自体が教育・啓蒙に役立つ可能性が指摘された。
 看護師を対象とした研究も2題あった。伊藤氏は、看護師向けのエンド・オブ・ライフ・ケア教育カリキュラムであるELNEC-Jの教育効果について報告した。研修会開催により、知識量は増加したが、「わかる」ことが「できる」こととなり、「自信がつく」ようになるまでにはさらなる工夫やサポートが必要であることを指摘した。丸谷氏は、PCAポンプの使用方法を教育するために自施設で行っている、PCAポンプセミナーの長期的な教育効果について報告した。PCAポンプ使用頻度の低い病棟での教育効果は低かったことが指摘され、セミナーのみではなく実践の機会の重要性が指摘された。
 友利氏は、自施設の初期臨床研修医に対し緩和ケアに対する意識についてアンケート調査を行い、初期臨床研修医は緩和ケアに興味をもっており、緩和ケアに対する教育ニードがあることを指摘した。
 岩満氏は、がん医療に携わる心理士が抱える問題について質的方法を用いて分析し、他職種との協働の不十分さからくる問題が主であることを報告した。
 安藤氏は、中高生に対して「秋田県がん教育モデル事業」としてがん教育授業(啓発ビデオ、講義、がん体験者の講演、グループワーク)を行った結果を報告した。直接授業を受けていない保護者に対しても教育効果が認められ、中高生に対してがん教育を行っていくことの重要性が示唆された。
 春田氏は、地域住民に対して、ストーリーを用いた緩和ケアの教育プログラムを作成・開催した結果について報告した。このような形式の教育は、緩和ケアを考える機会になる可能性があると指摘した。

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