Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
口演23
地域連携1
座長・報告  福山市民病院 緩和ケア科  古口 契児
座長  岩手県立中部病院  星野  彰
 本セッションでは7題の発表があり、地域緩和ケアネットワーク構築のための取り組みが発表された。
 演題1:他院で7次治療まで抗がん治療がなされた方の在宅移行例であったが、初回入院時に短期集中型の症状コントロールと地域連携室を通した在宅調整を行えば2度の退院が可能であったことを教えられた。
 演題2:外来化学療法中の患者に関する医療チームへの面接調査の分析で、化学療法中止時には患者の転換点となる「気持ちを切り替えていく」と「僅かな望みで治療場所を決めていくこと」をチームがサポートしていくことが重要であることを教えられた。
 演題3:治療関連顎骨壊死予防のための医科歯科連携の報告で、病院と近隣歯科医師会との協議会・合同勉強会・チェックシート方式の情報提供書・治療前からの連携が重要であることを教えられた。
 演題4:がん終末期における療養場所・死亡場所に関する医療従事者への意識調査の報告で、一般市民への調査と比べて医療従事者は自宅での看取りを多く希望している(66〜59%VS11%)ことが示された。
 演題5:がん拠点病院等からの転院受け入れ事例における患者・家族・担当看護師へのアンケート分析報告で、介護力不足・症状コントロール不足・信頼関係構築や退院調整困難等の問題があり、多面的な理解と対応が必要であることが示された。
 演題6:がん難民ゼロを目指す「鶴見在宅ケアネットワーク」の取り組みが報告され、基幹病院とのがん治療中からの併診・在宅療養支援診療所の活動状況把握・緩和ケア提供施設の外来機能強化と確実なバックアップが大切であることを教えられた。
 演題7:在宅緩和ケアチーム訪問の有用性を検証した報告で、訪問は医療福祉従事者との良好なコミュニケーションにより患者・家族にとっても安心感を与えることに有用であることが示された。
 各地域での在宅緩和ケアの具体的な取り組みを知ることにより、今やっていることへの保証・新たな気づき・今後への希望を与えられたセッションであったと思う。

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