Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
口演22
身体的苦痛4
座長・報告   兵庫県立がんセンター  池垣 淳一
外旭川病院  松尾 直樹
 オピオイドに関して2題、かゆみ、浮腫腹水に対する薬物療法が各1題、消化管狭窄・閉塞の治療に関する3題の計7題について議論された。
 1題目は消化器がん患者に対するオピオイドは早期よりフェンタニル貼付剤の方が良かったという発表であった。終末期に経口困難となり、オピオイドローテーションが困難であるとの理解ができた。2題目は肝硬変患者のオピオイドの使用についてであったが、一般的に肝硬変患者に安全とされるフェンタニルによっても、過量投与による傾眠傾向がみられる症例もあり注意が促された。3題目は胆汁鬱滞による掻痒感にパロキセチンが奏功するという発表であった。投与開始後の効果発現は数時間から2日と早く、中止後も数日間は効果が持続するとの実臨床に有用なご経験についてのべられた。メカニズムについても考察され、SSRI、抗うつ薬、5HT3拮抗薬、H2拮抗薬などの有効性についてもご示唆いただいた。多くの質問がなされ関心がもたれていた。
 腹水、浮腫に対する抗バソプレッシン製剤トルバプタンが奏功するとのご発表であった例の報告であったが、無効例は肝内静脈の閉塞を有していたことをお示しいただいた。今後、症例が蓄積され、適応症例が明らかにされていく事を期待したい。
 5題目は下部消化管の狭窄に対する化学放射線治療の効果についてであった。PSの比較的よい患者に対する治療である。消化管の照射の副作用が懸念されるが、多門照射などの工夫により合併症を軽減することができる。一方、6題目は下部消化管のステント症例の報告であった。PSの悪い場合も適応があり、イレウス時にも施行されていた。
 7題目は食道、胃十二指腸など様々な部位のステント症例の経験をお示しいただいた。経口摂取状態の改善が大多数でみられ、改善しない場合でも、胃管抜去、嘔吐症状は軽減できた。またステントによる穿孔の合併症の症例の提示もいただいた。

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