Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
口演5
緩和ケアチーム1
座長・報告  聖路加国際病院 オンコロジーセンター  高橋美賀子
座長  小牧市民病院 緩和ケア科  渡邊 紘章
 このセッションでは、緩和ケアチームに携わる医師、看護師、薬剤師による7題の発表があり活発な議論がなされた。
 演題1では進行肺がん患者に早期から緩和チームで介入することによってQOLの改善が得られることが示唆された。また、介入により医療者と患者の評価したQOLの差が減少したことから、主治医が気づいていない症状を緩和ケアチームの介入によって改善させた可能性があることが報告された。
 演題2では、がん療養サポートチームによる肺がんサポートの活動として、初回化学療法導入時から専門看護師による定期的な面談、呼吸器内科チームとの定期的なカンファレンスでの情報共有などの介入を開始。疼痛緩和、在宅療養支援、精神面へのサポート、家族ケアなどの問題解決が必要とされたことが報告された。
 演題3では、外科出身の緩和ケア医が中心静脈栄養ポートの造設依頼を受けており、その際にポートが必要ない患者の造設差し控えや患者のニーズを踏まえた環境調整、看取りの支援などを行ったことが症例を通して発表された。
 演題4では、顎骨壊死の悪臭に対してCLDM注とメトロニダゾールワセリン軟膏の使用が著明に効果を示し、排膿の減少、口臭・疼痛の消失、食事量の増加、家族の苦痛の緩和が得られた症例が紹介された。
 演題5では、患者、家族、医療スタッフ間での病状認識の相違について、MDASI-Jを用いた調査結果であった。症状評価の多くの項目で相違が認められ、患者と医療スタッフ、家族と医療スタッフ、医療スタッフ間において評価が一致しないことが示唆された。
 演題6では、がん患者の幸福度を生活の自由度ととらえ、亡くなるまでの間にQOLを維持しながら住み慣れた自宅で過ごせた期間を幸福度の評価方法として緩和ケアチームが介入したケースを分析。在宅期間は緩和ケア導入、在宅率は往診体制の導入が効果的であり、早期にチームとして介入することが望ましいと結論づけた。
 演題7では、兵庫県緩和ケアチム研修会開催報告であった。チームと地域医療者が緩和医療に関する「共通知識を持ち」「関係性を築く」ことに焦点をあて、独自の教材を作成し、地域で緩和ケアを提供するための方策や問題点などを在宅医による講義とグループワークにより検討。評価は教材やグループワークなど80%以上の高評価でありチームが地域で緩和医療を提供することに対する意識が高まったことが述べられた。

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