Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
特別企画5
緩和医療におけるIVR
座長・報告  国立がん研究センター がん対策情報センター がん医療支援研究部  加藤 雅志
 みなさま、「IVR」という言葉はご存知でしょうか?
 「IVR」とは、「Interventional Radiology」の略で、画像誘導下に、体内に針やカテーテル等の機器を挿入・操作して治療等を行う技術の総称であり、緩和ケア領域での活用が期待されている技術です。IVRを用いることでQOLの向上が期待される患者が多く見込まれる一方で、全国的には緩和ケア領域で十分に普及していない現状があります。全国の患者がこの技術の恩恵に与ることができるよう、日本緩和医療学会の皆様にもIVRのことをぜひ知っていただきたいと考え、本講演が企画されました。今回、IVRの第一人者である国立がん研究センター中央病院長の荒井保明先生にご講演をいただきました。
 まず、IVRの特徴として、外科的な治療に比べて侵襲が低く、即効性が高いため、QOLを大きく損なうことなく短期に症状の緩和を図ることできるという利点があり、緩和ケアに適した特性を有しております。具体的には、がんによって生じた病態の修復として難治性腹水に対するシャント術、種々のドレナージや管腔臓器閉塞の解除術。疼痛の軽減として骨転移に対する骨セメントによる骨形成術や有痛性腫瘍に対するラジオ波凝固療法。チューブの負担軽減として経頚部食道胃管挿入術(PTEG)などの紹介がありました。また、IVRを標準的治療として確立するために、日本腫瘍IVR研究グループ(JIVROSG)による世界をリードする臨床試験が紹介されました。
 荒井先生からのメッセージとして、緩和ケアに携わる医療従事者にIVRが十分に知られていないことが現在の課題であり、困ったときにはIVRを思い出してもらいたいということ、そして、国立がん研究センター中央病院のように他施設の患者を積極的に受け入れている病院もあるため、困った症例があった時には専門家に相談していただきたいということを強調し講演を締めくくりました。
 この講演をきっかけに、緩和ケアの関係者にIVRの認識が拡がり、IVRを利用できる患者が増えていくことを願っております。

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