Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
フォーラム3
大学病院フォーラム
座長・報告  昭和大学医学部 医学教育推進室      高宮 有介
横浜市立大学附属市民総合医療センター   斎藤 真理
 全国の大学病院における緩和医療の実践報告と問題点の共有、今後の日本の緩和ケアを推進するプランを討議することを目的に、今回初めて開催された。
 東邦大学、中村陽一医師による、全国80大学医学部、医学科附属139病院を対象とした調査報告(回収率47.5%)。チーム医療が大学病院の緩和ケアの主体になっていると総括された。課題としては、多職種の協力、主治医/看護師とコンサルテーション型チームとの共働などが挙げられた。
 弘前大学、佐藤哲観医師。ペインクリニックに始まり、6病床を有する緩和ケアチームで症状緩和から看取りまで行うようになったと語られた。根気強く院内の多職種と連携を保つことで、教育的な効果が上がると報告された。
 山梨大学、飯嶋哲也医師。緩和ケアチームが始動して10年であるが、医師の異動の早さ、それに伴う関係性の構築の繰り返し、質の維持の困難などを指摘された。大学病院でも十分な緩和ケアを提供できるようにする苦労と熱意が感じられた。
 島根大学、齋藤洋司医師。年々講義数を少なくする傾向の医学部卒前教育の中、緩和医療に関する教育時間数を確保している工夫と努力を報告された。また、研究成果をいかに臨床に活かすかも重要と語られ、患者が安心して死を迎えることができる緩和ケア病棟は大学病院に必須であると述べられた。
 藤田保健衛生大学、森直治医師。学会開催大学でもあり、多面的に緩和医療を展開している現状が報告された。医局として多くのスタッフがそろい、臨床、教育、研究において切磋琢磨できるいい環境であることが伝わった。
 質疑応答においては、他の大学数校から独自の困難さが呈示された。コンサルテーション技法、研究推進力、学生・後輩医師の人心掌握術などに関するやりとりがあった。大学病院という特殊性があると思われ、来年も多くの大学の報告が多職種からなされることを希望する。

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