Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
ワークショップ1
補完代替療法の現況と展望
座長・報告  早稲田大学 先端科学・健康医療融合研究機構  大野  智
座長  藤田保健衛生大学病院 看護部 緩和ケア病棟  浦崎 優子
 わが国のがん患者の約半数は補完代替療法を利用しているとされている。しかし、補完代替療法に関する正確な情報は乏しく、患者やその家族への対応に苦慮することが多い。そこで今回、補完代替療法の定義や現状を改めて確認した上で、がん患者と補完代替療法の関係を理解し、最新の科学的根拠を踏まえ、日常の診療・ケアに活かせるノウハウを習得することを目的にワークショップが企画され、演者として6人が登壇した。
 福原敬先生(札幌厚生病院)には緩和ケア病棟における音楽療法の実践を通しておこなった質的研究の成果を発表いただいた。その結果、好きな音楽を聴くことは臨死期の患者にとって好ましい精神的あるいは身体的な反応が認められる可能性について言及された。新倉晶子先生(日本赤十字社医療センター)には緩和領域の医療施設に音楽療法の実施状況についてのアンケート調査結果を報告いただいた。さらに会場において即興での音楽療法もご披露いただいた。早川貴子先生(NPO法人整膚美肌褥瘡予防協会)には伝統的な経絡学説と現代生理学理論に基づいた「整膚」について解説していただくとともにヒト臨床試験の研究成果についても紹介いただいた。相原由花先生(ホリスティックケアプロフェッショナルスクール)にはアロママッサージの作用メカニズムについて分かりやすく説明していただくとともに日本の医療現場における実態調査や緩和ケア病棟に入院中のがん患者を対象とした臨床研究結果について発表いただいた。今津嘉宏先生(芝大門いまづクリニック)には厚労省研究班にて実施された医師・薬剤師に対する漢方の意識調査の結果を報告いただいた。小俣浩(埼玉医科大学)にはがん患者を対象とした鍼治療の科学的根拠をレビューしていただいた。
 総合討論では、実際に補完代替療法を医療現場で活用するにあたり、専門の知識と技術を有した人材の確保や費用の問題について課題が残されている点が議論された。また、医療者への補完代替療法に関する教育の必要性についても意見が出された。
 なお、学会終了後、会場で資料として配付した「がんの補完代替医療ガイドブック(第3版)」について問い合わせをいただいた。追加で要望される場合は、以下に問い合わせいただきたい。

〒173-8605
東京都板橋区加賀2-11-1
帝京大学医学部臨床研究医学講座
大野 智
TEL: 03-3964-1211(代表)
E-mail: ohno55@med.teikyo-u.ac.jp

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