Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
インターナショナルセッション3
40 years of palliative care in Canada; lessons learned and challenges ahead
座長・報告  がん研究会有明病院 がん治療支援緩和ケアチーム、麻酔科  服部 政治
 私が座長の任を務めたインターナショナルセッション3には、カナダで緩和医療の推進にご尽力されているBernard J. Lapointe先生にご登壇いただき、これまで緩和医療を医療の現場に根付かせるために行ってきたことやこれからの展望についてご講演いただいた。”40 years of palliative care in Canada;Lessons learned and challenges ahead”の表題ではじまり、実にゆっくりとした英語で、語りかけるようにお話ししてくださった。
 1974年、ホスピス・緩和ケア運動はカナダの2大教育病院にはじまった。日本や欧米諸国がホスピス、ケアハウス、在宅医療からはじまり、数々の運動を経て教育施設へ、政策へと移って行った経過とは異なる点が特徴的だと思えた。教育施設で始まるということは、その教育施設を経る医師はきっと「緩和医療」という概念を自然なものとして捉えることができるでしょう。その後40年間の間に多くの啓発がなされて“National Care Giver's Day”が制定されるなど、家族や介護者をも勇気づけるような運動も実現している。彼は、緩和医療を成功させるための取り組みには、Politics, Physician aid indying, Cost, Quality and Consistency, Education をしっかりと実施していく必要があると強調された。それでも、まだ国民の多くがend of life careに辿り着けていないという問題点もあるのだという。日本との文化や宗教のちがいもあるのかもしれないが、euthanasia(安楽死)を法制化しようという動きもあるとのことだった。
 日本でも、「緩和医療」を啓発しようと学会やいろいろな協会が努力をしているが、まだまだ国民に根付かせるには至っていない。医療者に対しても不十分である。大学での講義時間も少なく、また臨床実習を組ませることも十分にはできていないという実状であろう。日本はまだカナダの20年前にやっとたどり着いたところなのだろうか・・・と座長席で講演を拝聴しながら思っていた。

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