Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.61
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2013  61
教育講演3
緩和ケアとユーモア
座長・報告  聖隷クリストファー大学  小島 操子
 柏木哲夫先生は、アメリカで精神医学の研修を積まれ、帰国後、淀川キリスト教病院に精神神経科を、またホスピスを開設され、日本にホスピスケアを発展させた第一人者でございます。その後、大学教授、学院長になられてからも、臨床で、また教育の場でエネルギッシュにご活躍でございます。
 先生のご講演は、いつもながら参加者の心をしっかりとらえて、ユーモアたっぷりに私たちの欠点にふれ、笑いを引き出し、教育的示唆に富んだ笑いで学びと元気をいただきました。
 先生は、緩和ケアという臨床の場におけるユーモアの重要性について、ユーモアの定義、機能・役割などに関して例をあげながら具体的に述べられました。それらの内容は、まず、ユーモアの語源から、人間はユーモア無しには生きていけないだろうと。そして、ドイツの定義から「(苦しい、死が近い・・・)にもかかわらず笑うこと」また、「他の人への愛と思いやりの現実的な表現であること」をあげられ、機能として、つらいこと、悲しいことの間に距離をおくことが可能になる「自己距離化」の働きと、人と人の間に存在する「立場の壁を崩す」ことをあげられました。
 ご自身や患者様の言葉や作品を例にあげながら説明され、真剣さと、あたたかい笑いにつつまれながら、患者様のとまどいや本音を沢山学ばせていただきました。
 また、よりよい医療・看護、緩和ケアを行うために、ユーモアのセンスが自分たちのストレスを解消したり、コミュニケーションを促進したり、楽しい雰囲気やポジティブな雰囲気を作るのに、いかに大切か改めて思わされました。
 参加者の皆様の様子から、笑いと学びにつつまれ、明日へのエネルギーをいただいた柏木先生のご講演は、東口学術大会会長のご意向にそった素晴らしいフィナーレであったのではと感動させられました。

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