Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
学会印象記
EAPC(欧州緩和ケア学会)
手稲渓仁会病院 臨床研修部  園田 博
 EAPC2013のテーマは ”the right way forward”。今後のグローバルな緩和ケアの発展に重点を置いたセッションが多かったのではないかと思う。また、プラハチャーターと称して、発展途上国における緩和ケア領域でのギャップや、人権問題の克服などに取り組んでいくことが会議の中心となった。
 プログラム構成として印象的だったのは、毎日2回は、全ての参加者が参加できるようにplenarylectureが設けられてあり、そこでEAPCが目指す目標の共有と、参加者に対するリーダーシップ・コンピテンシーモデルが明確に示されていたところだ。オープンディスカッションには誰もが参加することができた。テーマに沿って、世界の周辺地域との連携、周辺分野との統合、緩和ケアの対象の拡大の必要性に関するセッションが開かれ、EAPCの目指す将来に対する姿勢が周知された。
 各セッションのあいだに、時間的なゆとりがあるプログラム構成も肯定的に感じられた。同時並列で重複の多い、隙間のないセッション構成とは違い、各セッション後に余裕があるため、前後での立ち話や情報共有の時間があった。ポスターセッションでも、すべてのポスターに目を通しながら、プレゼンターとディスカッションする参加者が頻繁に見受けられ、EAPCの人材交流を大切にしようとする工夫が感じられた。
 日照時間の長い夏の欧州は、朝早くから夜遅くまで人々が活動的だった。18時に学会が終わっても、そこから町に出て、ビールを片手にトワイライトタイムを楽しみながら、レストラン、広場、カフェなどでさらなる人材交流が行われたことだろう。今後もEAPCは、よりインターアクティブでダイナミックな変化を起こしながら、裾野を広げていくだろう。新規性と創造性を探究しようとする明確な姿勢から、参加者は大いに今大会のテーマである ”Theright way forward”のEAPCのマインドセットを感じたのではないだろうか。

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