Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
一般演題
優秀ポスター4
座長・報告  関西福祉科学大学 社会福祉学部臨床心理学科  柏木雄次郎
座長  聖隷三方原病院 ホスピス科  今井 堅吾
 宮森正先生ら(川崎市立井田病院):がん終末期にIDAS(Integrated Distress Activity Score)によるQOL評価を連日実施したところ、深い持続的鎮静への相応性を客観的に確認できることを明らかにした。
 及川佑介先生ら(砂川市立病院):将来の意思決定能力低下に備えたACP(advance care planning)に関する意識調査を行ったところ、市民は積極的治療を優先し、医療関係者はQOLを優先することを明らかにした。
 櫻井智穂子先生ら(千葉大学):高齢がん患者が終生期において望む生き方と影響要因を調査分析したところ、最期には「家族の負担にならないように」準備する傾向を認め、その意向を理解し支援すべきことを示した。
 鈴木優子先生ら(旭川厚生病院):開設3ヶ月の緩和ケア病棟での看護師職務満足度への影響要因を調査したところ、「看護師間の相互影響」が最も職務満足度を増加させる要因であることを明らかにした。
 松田陽一先生ら(大阪大学):がん患者のオピオイドによる異常薬物関連行動について調査したところ、1.5%に同行動(偽嗜癖を除く)を認め、その総てがフェンタニル注射液使用・非高齢・男性であり、これらの患者では異常薬物関連行動に留意すべきことを示した。
 舩木康二郎先生(富山市民病院):ビスフォスフォネート製剤長期投与後に生じた非定型大腿骨骨折の前駆痛が神経障害性疼痛と鑑別困難であった症例により、同薬剤長期投与患者では非定型大腿骨骨折を常に念頭に置くべきことを示した。
 久村和穂先生ら(小松市民病院):社会的問題と支援ニーズ・身体状態・心理的問題の相関について調査したところ、回答者の8割が1ヶ月以内に社会的問題を経験し、その7割に支援ニーズがあり、身体状態や心理的問題と有意な相関があることを示した。
 これらのいずれもが、新たな知見または有意な示唆を提供し、優秀ポスター賞にふさわしい内容であった。

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