Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演47
手術療法2
座長・報告  順天堂大学医学部附属浦安病院 がん治療センター  木所 昭夫
 1.同心会古賀総合病院、高橋徹先生は80歳、切除不能の進行食道がん患者さんに対して逆流防止弁付きのステントを挿入した結果、経口摂取が可能となり、QOL改善が出来た症例を報告した。このステントには逆流防止弁が付いているため、胃内容の逆流を防止することが可能で、生存率の向上につながることが期待される。
 2. 岡山大学病院消化器内科、那須淳一郎先生は切除不能の悪性幽門狭窄6例に対して、内視鏡的にステントを挿入、いずれも経口摂取が可能となった。数ヵ月後、経口摂取が出来なくなった症例に対しては、再度、ステントを挿入したり、開腹、胃空腸吻合を行い最長476日の生存期間と最長471日の経口摂取可能期間を得、GOOSS scoreは6例中5例で改善がみられたと報告した。がん性腹膜播種、腹水などを合併していても、ステント治療により、これだけの長期生存が得られることを示された。
 3. 西宮市立中央病院外科、岡義雄先生は胃がん、すい臓がんによる癌性狭窄患者5例について、好中球/ リンパ球数比(NLR)、Glasgow prognostic score(GPS),prognostic nutritional index (PNI) を指標として十二指腸ステント留置前の評価を行い、留置前後でGOOSS scoreを比較、在宅率、生存期間を算出した。前例で指標はすべて改善しており、十二指腸ステントは有用であることを示していただいた。
 4. 厚生連高岡病院外科、太田尚宏先生は下部消化管悪性腫瘍による閉塞に対して、大腸ステントを使用した2例の臨床経過を示した。挿入後は、いずれも、良好な経過を示し、経口摂取が可能となり、栄養状態の改善から良好なQOLの改善が期待できると思われる。
 5. 千葉西総合病院外科、長谷川圭先生は悪性大腸閉塞を合併した患者16例について、大腸ステント留置群6例と姑息的手術群10例にわけ、比較検討を行い、ステント留置群の有用性を示された。ただ、ステント留置術も、施行困難な例があり、適応を良く考慮すべきであるとも述べられた。
 消化管閉塞の緩和医療をあきらめてはいけないということをこれら5編の演者は示した。

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