Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演41
医療体制
座長・報告  立命館大学 生命科学部 生命医科学科  下妻 晃二郎
 医療体制のセッションには2演題の発表があった。専門的な在宅医療の充実や、病診連携に注目が集まる中、本分野のより多くの発表を今後期待したい。
 1題目は、富山県済生会高岡病院の高島留美氏らによる「在宅緩和ケアにおける病院認定看護師と訪問看護師による同行訪問の評価」であった。
 一般の訪問看護ステーションの看護師の中にはがん患者の扱いに慣れない人も多い。緩和ケア認定看護師の同行によって、訪問看護師の視点からどのような変化があったかについての発表であった。
 多職種対応の機会が増え、訪問看護師の困難感が軽減し、症状緩和に役立ち、特に新しい機器の導入時の訪問を希望するというニーズが明らかになった。
 質疑応答では、在宅患者訪問看護指導料3の算定について、家計を考慮して躊躇ったり拒否されたりすることはないか、という質問があった。初期の関わりで丁寧に説明することにより幸い問題はおきていないが、暗黙のうちに考慮することはあるとのことであった。次に、認定看護師が病院を空けることについての病院側の理解についての議論があった。
 2題目は、岡山中央奉還町病院の筒井哲也氏らによる「医療用麻薬廃棄処分に関する考察」であった。
 病院における医療用麻薬廃棄処分の理由別内訳、無駄になっているコストを算定して発表された。内訳は、他院外来処方分で、使用せず退院となったものが50.4%、院内調剤後使用せず退院となったものが27.4%、転院時持参していたが使用せず退院になったものが15.1%、であった。年間約25万円が無駄になっていた。
 期限内未使用品であれば、「書類申請等の結果、病院保有と認められ他患への使用が許可される」、「製造業者に回収してもらい、成分抽出等の処理により再活用する」方法はとれないものか、という問題提起があった。
 質疑応答では、今後、在宅ケアの普及により、一回の処方日数が多くなりさらに無駄が増える可能性が高く、根本的な対策が望まれるとの議論があった。

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