Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演34
在宅医療3
座長・報告  めぐみ在宅クリニック  小澤 竹俊
 発表は5題あり、在宅看取りについて3題、心肺停止で救急搬送されたがん終末期患者の検討1題、急変時病床確保事業に関して1題であった。在宅療養から病院での看取りになった患者の調査では、在宅看取りとなった12名の平均在宅療養日数が23.9日に対して病院に再入院しての看取りになった平均在宅療養日数は77日と長かったという報告であった。
 山間部での小規模病院での2年間の報告では、緩和ケア外来を受診され亡くなった27名のうち、在宅8例、病院18例、他病院1例であり、入院になった理由は、介護力不足が多かったとの報告であった。患者・家族のニーズに合わせた関わりが提供されている内容であった。
 在宅に行くと寿命が短くなるのか?という検討では、PCTが介入してから亡くなるまでの日数を病院群と在宅に戻った群にわけて検討された。2群間では、年齢、PSに有意差はなく、生存日数は、病院群が平均33日に対して、在宅群57日と、有意に在宅群が、長い結果となった。在宅に行くと寿命が短くなることは誤解であることを示すデーターであったが、限界として、病院で関わったPCTが、在宅での療養支援に当たっていたことが挙げられた。心肺停止状態で救急搬送されたがん終末期患者の検討では、救急搬送3402件のうち、悪性疾患が106例、そのうち、CPAが8例であった。呼吸器のがんでは、急変の予測が困難なことがあり、早い段階でのDNARの意思確認、救急隊や医療者への情報提供の方法を考えるべきとの報告がなされた。
 容体急変時の病床確保事業についての報告では、東京都港区在住の患者さんを対象に3年2ヶ月で利用者数が、12名、のべ17回の入院回数であったと報告があった。報告のあった病院は、都心にあるがん診療中核病院であり、港区在住の患者さんだけを対象にした事業であるため、報告された数字の解釈については注意が必要と思われた。

Close