Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演32
代謝・栄養療法2
座長・報告  名古屋記念病院 外科・救急部  武内 有城
 私が座長を担当した「代謝・栄養療法2」は合計5題の報告がありました。最初の藤田保健衛生大学の中川先生は、終末期のがん患者の輸液療法におけるルートと留置期間に関する考察で、予後予測にて30日以上の生存が見込める場合には、患者のADLを考慮してCVポートを推奨するとの報告でした。次の金田病院の三村先生は、輸液と患者のQOLについての考察で、経口摂取を重視した輸液療法の有効性を報告されました。3番目の大阪府立呼吸器・アレルギー医療センターの合屋先生は、悪液質を呈した肺がん患者2例に抗IL-6受容体抗体であるトリシズマブの有用性を報告していただきました。悪液質や腫瘍による随伴症状の発現において、いろいろなサイトカインの関与が確認され、抗サイトカイン療法が脚光を浴びており、臨床応用された貴重な報告でした。4番目に名古屋市立大学病院の伊藤先生からは、1年以上生存した患者の外来化学療法施行時の栄養指導において、PG-SGAによる栄養評価とその後の体重変化が予後と相関するとの報告でした。最後は、山形市立病院済生館の小野先生に、原発不明がんの栄養療法を含めた集学的治療が有効であった1例を報告していただきました。このセクションのまとめとして、緩和療法における栄養管理は、その選択および実施において、多職種による協働の重要性を再認識しました。食べられないから輸液療法という安易な栄養管理ではなく、強制栄養法の適応およびその方法について、患者・家族とチームで話し合うことは重要です。また、栄養療法の適応については、より正確な予後予測と悪液質の進行度評価が重要なポイントになっていること、さらには変化する終末期の患者状態に柔軟にかつ迅速に対応できることがQOLをそこなわないとされています。

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