Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演31
看取り
座長・報告  武蔵野大学 教養教育部会、看護学部  小西 達也
座長  聖隷三方原病院 ホスピス科  鄭   陽
 本セッションでは6題の発表が行われた。立見状態の参加者が数多く見られ、関心の高さが伺われた。発表テーマは、a)看取りプロセス全体の改善に関するものと、b)看取りについての個別的なテーマの二種類に分類することができる。
 まずa)の第一は、過去の看取り事例についてLCP(Liverpool Care Pathway)の評価項目を中心に検討を加えることで、発表者の病院へのLCP導入により期待される具体的な改善点を明らかにするものであった。その第二は、看護師が考える「よい看取り」の主観的な基準の調査に関するものであり、今後、そうした「ケア提供者側」からの視点に加え「ケア対象者側」の視点をも考慮することで、「よい看取り」についての更に意義深い洞察が期待されるものであった。
 b)の第一は、J-HOPE2に関する発表で、終末期患者に対してその家族が自分の思いを伝える際の家族自身の複雑な心理的ダイナミクスを明らかにすると同時に、それを考慮した家族サポートの必要性を指摘するものであった。その第二は、様々な理由で困難になりがちな心肺蘇生(CPR)に関する本人意思の確認について、その必要性の認識が高まりつつある中、その具体的方法論についての議論とコンセンサス形成を、単に一病院のレベルでなく社会的レベルで行う必要性を訴えるものであった。第三の発表は、「急性期一般病院での終末期がん患者・家族への看護において看護師が感じている困難感」の実態調査結果、およびその整理・分類を中心としたものであり、今後、それらに対する具体的な解決・対応策を考えていく上での基盤となるものであった。第四は「デスカンファレンスの現状と改善点」に関する発表であり、これまでのデスカンファレンスでみられた効果と同時にその改善点について検討を加えたもので、今後、それらの具体的な改善策やデスカンファレンスの更なる効果や役割についての検討が期待されるものであった。
 今回の「看取り」に関するセッションでの発表は、いずれも臨床に即した実践的で具体的なものであり、参加者にとっても有意義な学びの場になったものと考える。発表者と参加者に心より感謝申し上げたい。

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