Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演28
在宅医療2
座長・報告  やまおか在宅クリニック  山岡 憲夫
 本セッションは在宅医療において、特に病院から在宅への移行についての問題点や課題についての発表が行われ、会場からも活発な質疑応答が行われた。
 演題1:今給黎総合病院の松添大助氏は肺がんの生活保護者が在宅療養を希望しながら、行政の指導で在宅移行できなかった症例を報告した。在宅療養は医療費の面からも、入院継続に比べて国の負担が少ない現状を具体的な医療費を挙げ指摘し、行政の考え方を変えるべきことを強調された。会場からも同じ趣旨の追加発言があり、行政の不十分さが指摘された。
 演題2:磐田市立総合病院の福本和彦氏は急性期病院の外科病棟における長期入院患者の解析を発表した。病院から在宅移行への障害は、地域のリソースの不十分さや、MSWの啓蒙の不十分さや家族の介護力不足を指摘した。
 演題3:彩都友紘会病院の天野晃滋氏は緩和ケア病棟から在宅緩和ケアへの移行に影響する因子の検討を報告した。在宅へ移行しやすい因子は経口摂取可能なことや強い症状がないこと、予後が比較的良いことなどを挙げ、また、介護者側の要因は影響ないことも報告した。そして地域の在宅の資源の充実が大切であることを強調した。
 演題4:秋田往診クリニックの佐藤浩平氏はがん拠点病院の緩和ケアチームと在宅療養支援診療所との間の在宅移行の問題点について検討した。患者も家族も在宅への移行が明確である患者が移行し易く、また、退院前カンファランス参加の重要性も指摘した。
 演題5:埼玉医科大学国際医療センターの柳澤隆昭氏は小児悪性脳腫瘍患者の在宅療養への移行を報告した。34例もの多数の小児例で在宅移行の継続が行われ、抗がん剤治療なども行われていた。院内多職種チームと地域の在宅医や訪問看護ステーションとの連携が大切であることを強調し、重篤な神経症状を呈する小児悪性脳腫瘍でも、在宅移行ができることを示した。

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