Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演25
代謝・栄養療法1
座長・報告  伊賀市立上野総合市民病院  三木 誓雄
座長  大隈病院 外科  谷口 正哲
 本セッション、は谷口先生と三木が司会を担当させていただいた。
 7題いずれも、がん終末期患者に対する栄養管理を中心とした全人的ケアに関するもので、きめ細やかなチーム医療の展開が示された素晴らしいものであった。
 7題中、栄養療法の有効性、意義が示されたものが4題、栄養療法の選択に、いかにチーム医療として関わるべきか示されたものが2題、そして終末期患者に対するTPN下の血糖管理に関するものが1題であった。終末期医療における栄養療法の有効性に関しては、QOLを維持するのみならず、心のケアとしての意義も示された。臨死期にあっても最期まで食べたいと思う患者の望みを維持し、食事摂取量を増やす工夫が必要なこと、また終末期患者の社会的責任を果たしたいという希望をかなえるため、NSTが全人的ケアを展開し、患者本人、家族のみならず、治療に関わった医療スタッフも充足感を得ることが出来た事例が報告された。さらに、栄養サポートが臨死期の褥瘡発生率を有意に低下させたことが報告され、新しい試みとして、終末期に輸液を要しない期間を延長する目的でアミノ酸ゼリーを投与し、輸液フリー生存期間が4−5日延長できたことも示された。栄養療法の選択に関して、本人−家族の関わりを評価する調査結果では、胃瘻などを用いた終末期栄養療法の選択には、家族の患者への思いが強く反映されることが示された。また、TPN下患者の血糖コントロールに関する臨床研究では、安定していれば週一回程度の血糖値測定で問題ないことが示された。
 いずれの演題も、がん終末期患者に対する栄養管理がQOL維持のみならず、心のケアとして、患者本人、家族のみならず、現場に関わる医療従事者にとっても大きな意義を有することを示された。フロアーと演者間の活発な質疑応答もあり、あっという間に1時間半が過ぎた、大変有意義なセッションでした。

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