Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演18
その他
座長・報告  県立広島病院 緩和ケア科  小原 弘之
 このセッションでは医師・看護師・薬剤師がそれぞれの専門の立場から発表し討論を行った。
 和田氏らは、悪性腫瘍による消化管狭窄(MalignantBowel Obstruction ; MBO)と診断された症例を対象に行った消化管ステント治療の有効性を報告した。消化管ステントでQOLが改善する可能性が示唆されたが、便塊によって再閉塞することがあり、排便コントロールが重要であることを報告した。
 河内氏らは、終末期の消化管閉塞により人工肛門を造設した症例の問題点をretrospectiveに解析した結果を発表した。腹膜播種の進展などで人工肛門の形状変化や人工肛門周囲の皮膚トラブルが発生し、終末期に造設した人工肛門の管理の困難さを報告した。
 上元氏らは、終末期がん患者で低血糖の管理で難渋した症例を報告した。がんの終末期で予後が限られることが予測される状態では、血糖の管理を続けることも中止することは、医療者だけでなく本人や家族にも辛さと苦悩を伴う判断になることを指摘した。
 最上氏らは、麻薬拮抗薬が必要になった終末期がん患者の背景因子を検討した結果を報告した。終末期にオピオイドを使用する際には、モルヒネの増量だけでなく、腎機能低下が相対的なオピオイドの過剰につながりやすいことを指摘した。
 米丸氏らは、化学療法の継続を選択した消化器がん患者の倦怠感と治療継続の思いの関連性を報告した。倦怠感を抱えたがん患者は、化学療法の効果に強い期待を持っており、その思いに沿った看護支援が重要であることを指摘した。
 堂園氏らは、東日本大震災で被災した陸前高田病院の医療サポートの経験と婦人科診療車を作って在宅診療支援を行った実績を報告した。生かされた立場にある患者の複雑な心情に配慮した活動が行われていた。今回の活動は今後医療過疎地域の増加が予測される地域での緩和医療推進モデルになり得ることが示唆された。

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