Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演2
ホスピス・緩和ケア病棟
座長・報告  協立総合病院 緩和ケア診療部  飯田 邦夫
 最初に、医療法人誠和会藤木病院の藤木啓氏より「地域終末期緩和ケアネットワークにおける療養病床の役割」を発表していただいた。緩和ケア病棟が1施設しかない地域で、在宅へ帰れない患者の緩和ケアを、療養型病床で介護職の協力を得て行っているとの報告であった。最期まで穏やかに療養できる場を提供できている、とのことであった。
 次に、済生会松阪総合病院中西容子氏より「緩和ケア病棟開設初年度の現状と課題」の発表があった。過疎化、高齢化、老老介護、在宅医療機関が少ないなどの地域特性があり、在院日数が長期化していることが問題となっていること、その対策としてMSWが早期から関わること、関連機関との連携、地域連携の強化のための連携パスなどを考えている、との報告であった。
 3番目に、救世軍清瀬病院赤司雅子氏より「終末期の治療方針決定者の属性がホスピスの入院決定に与える影響についての検討」を発表していただいた。ホスピス入院の相談者が配偶者だった場合、それ以外の方に比べて入院相談が遅くなり、入院待機中に患者が亡くなる傾向が認められるとの報告であった。その理由としては、自宅で状態が悪化するまで介護される傾向があるのでは、との分析であった。
 続いて、岐阜県立多治見病院伊藤浩明氏より「緩和ケア病棟から在宅移行した患者の緩和ケア病棟再入院理由についての解析」の発表があった。緩和ケア病棟を開設して3年ではあるが、地域連携を重視し40%以上の患者が在宅へ退院していること、再入院の理由が症状コントロールや家族のレスパイトの場合は再び在宅へ戻れる可能性が高いが、家族が病状に危機感を感じている場合は退院は難しく短期間に死亡に至る可能性が高い、との解析であった。
 最後に、名古屋第一赤十字病院、湯浅典博氏より「最近3年間の名古屋第一赤十字病院緩和ケア病棟の役割の変化」を発表していただいた。入院期間が年々短くなり、一方緩和ケア病棟入院を希望していても入れない方が増えている中、医療者からは緩和ケアチームとの連携を強めて一般病棟でのケアを充実させてほしいとのアンケート結果があった、との報告であった。

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