Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
口演1
全人的苦痛1
座長・報告  洞爺温泉病院 ホスピス緩和ケア病棟  岡本 拓也
座長  名古屋市立大学病院 緩和ケア部  奥山  徹
 学会初日の朝一番、午前8時半からのセッションにもかかわらず、大勢の参加者があったことに、本学会会員のモーティベーションの高さを感じた。興味深い発表はいくつかあったが、字数の関係で報告は1つに絞らせていただく。
 金沢大学付属病院麻酔科蘇生科の山田圭輔氏が発表して下さった『「スピリチュアルペインに向き合う力を養う」セミナーの開催経験』は、オリジナリティの高い活動であり、今後どのように展開していくのか楽しみであるように感じた。具体的には、スピリチュアルペイン/ケアについての基調講演(これはまあ普通だ)の後、医療・介護・福祉関係者の多職種からなる参加者が、小グループに分かれてグループワーク(以下GW)を行う。そのGWの内容とは、「人が生きる・死ぬということについて考えさせられた自分自身の体験」などについて小グループ内で、各人の語りを傾聴し合い、それを受けてコメントを述べ合う、というものである。
 このようなやり方を行うことにした背景には、スピリチュアルペインを持った人と向き合うためには、ケア提供者自身が、自らの生くる死ぬるについて、また自己の存在と意味について、自らの問題として主体的に考える機会を持つことが重要である、という考えがあったようである。そのような考えに至る過程として、発表者は、デーケン氏や柳田邦夫氏、村田久行氏など、この分野で活躍されている日本中の諸先生方に直接教えを乞うために日本各地に出向かれている。その行動力と熱心さには、感心するところ大であった。
 概ね参加者からは高いプラスの評価が得られたようであるが、GW最中に感情のコントロールが利かなくなる参加者がいて「炎上」した小グループが1例のみあったらしい。十分に注意しながら実践を重ね、失敗の経験も含めてノウハウを蓄積すると共に、中・長期的な経過も含めた結果をフォローしていただくようにお願いした。

Close