Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
ランチョンセミナー9
チーム医療による輸液管理の重要性
〜緩和ケアNST 活動の実際〜
座長・報告  湘南鎌倉総合病院 オンコロジーセンター
湘南鎌倉がんセンター  太田 惠一朗
 薬剤師である演者は、NSTおよび緩和ケア双方にチームの一員として積極的な活動を行っている。終末期の患者を診る場合、その病態が「飢餓状態なのか不可逆的悪液質の状態なのか」を判断することの重要性を説いた。悪液質の出現を見落とすことなく、摂取エネルギーと輸液量を軽減する必要がある。常に代謝・栄養学的観点から、精神(こころ)にも身体(からだ)にも優しい緩和ケアの推進をNST活動の実際を紹介しながら説明した。
 また、演者は本学会緩和医療ガイドライン委員会輸液ガイドライン改訂WPG員として、「終末期がん患者の輸液療法に関するガイドライン2013年版」の発刊に尽力した経験を持つ。今回の改訂にあたり、生命予後1カ月以内と考えられる終末期がん患者を対象としたこと、単なる水分管理だけでなく栄養輸液というカテゴリーで改訂が行われたことを解説した。さらには、輸液が水・電解質に加えて、栄養状態の恒常性を改善、維持するための重要な役割を担い、より詳細な病態や代謝動態の把握、移りゆく症状増悪への対応に関する種々の知識が必要だと考えられることから、輸液の定義など輸液療法の基礎から応用、そしてがん悪液質に関する最新の情報などを背景知識に盛り込んだことを披露した。

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