Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
ランチョンセミナー8
患者がもとめる早期からの緩和ケア
〜最近の話題〜
座長・報告  静岡県立静岡がんセンター 緩和医療科  大坂 巌
 「早期からの緩和ケア」という言葉が登場して久しいが、がん治療における緩和ケアの重要性がますます認められつつあるのが時代の趨勢であろう。これまでは緩和ケア病棟・ホスピスから緩和ケアチーム、在宅ホスピスと緩和ケアのdeliveryがより幅広く求められてきたが、近年は緩和ケア外来が最重要視されている。久永先生におかれては、この点を最新の研究をもとにわかりやすく解説され、実臨床の場面を惜しげもなくimpressiveにご披露いただくことができた。まず、がん治療の早期から緩和ケアを提供することの意義(Temel J, et al. NEJM2010)、適切な時期に適切な治療が選択されることやホスピスサービスの介入の重要性(Greer JA, etal. J Clin Oncol 2012)、さらに、緩和ケア外来では、症状緩和・コーピングの支援・病状や予後の認識を深めることや腫瘍外来との相補的関係が大切であること(Yoong J, et al. JAMA 2013)を解説していただいた。これらの研究結果からは、患者が何を求めていて、緩和ケアに携わる医療従事者は何をサポートすべきなのかがより明確にされたと言える。久永先生は、これらの研究で行われている介入とご自分が緩和ケア外来で実践されていることが同じであることを強調されておられた。実際の患者さんとの診療場面も織り交ぜられ、外来患者に対する具体的な接し方のヒントも教えていただくことができた。久永先生のような緩和ケア医が一人でも多く増え、筑波メディカルセンターのような診療体制が全国に広まることが、わが国における緩和ケアの発展のためには必要不可欠であること痛感させられたセミナーであった。

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