Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
特別企画6
緩和医療に携わる女性のライフデザインを考える
座長・報告  帝京大学医学部 緩和医療学講座  有賀 悦子
座長  市立札幌病院 緩和ケア内科  合田由紀子
 国はポジティブアクション「2020年30%」‐2020年にすべての分野における女性管理職を30%とする‐という目標を10年前に掲げました。未だ風は感じられず数字の先走りの中で、身近では皆さん実際どうしているのだろう・・そんな疑問を土台に医療者のQOLをテーマに企画をさせていただきました。
 星野信子さんは、緩和ケア病棟に復職された認定看護師さんです。夕方の保育園の時間に向けて、必須の仕事は午前、午後は余裕のあるケアというように随所に生活のヒントを話されました。森雅紀先生は、海外勤務を経て4人目の出産で育休をお取りになった男性医師です。職場の方々の応援を受け、その体験がご自身の臨床に大いに影響を受けていると述べられました。松原貴子先生は、お子さんが成人となられて大学院に入学されました。それまでの道のりを提示されつつ、枠にとらわれない選択の可能性を示されました。村井美代先生は、大会長とともに講座・病棟運営にあたっていらっしゃる外科・緩和医療の女性医師です。女性医師の横のつながりの大切さを例示されました。
 会場からは、同じように育児休暇を取られたことがある男性の報告、乗り切り方法として姉妹でのシェアリング、両親や職場の同性先輩の支持の難しさなどの指摘がありました。
 ライフ・ワークバランスと考えると、常に2つを両てんびんにかけいずれかを犠牲にしている感がぬぐえませんが、それを、生活全体のデザインにおける一つへの時限的集中と捉えれば心は軽くなるように思います。星野さんが、職場で支えて下さった仕事仲間は生活を分かち合う友人となっていったと話されたことが印象的でした。
 他者の痛みに心を投じつつ、答えのない自分の道のりを歩み続けるには、自分を振り返る時を持つことが大切なのだと痛感しました。来年の学術大会テーマ「これでいいのだ!」と自らを思えるよう、また1年頑張れそうな気持で、満席の今年最後のセッションを終えました。

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