Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.60
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2013  60
ワークショップ2
卒前教育の確立に向かって
座長・報告・演者  昭和大学医学部 医学教育推進室  高宮 有介
座長  藤田保健衛生大学医学部 外科・緩和医療学講座  伊藤 彰博
 最初に、高宮から全国の医学部における緩和ケア教育の実態調査の報告があった。97.1%の大学で実施され、コマ数は、平均6.78コマで、最大は28 コマであった。7コマ以上は、23大学であった。実施学年は4年生が90.9%と多く、講義の名称は、緩和医療41.7%、緩和ケア25.8% であった。講義方法は、講義が98.5%と主体であるが、事例検討22.7%、グループワーク18.2%、ロールプレイ15.2%などの工夫がみられ、さらに、実習、ビデオ学習、PBLテュートリアル、TBLと続いた。緩和ケアに関する教育内容は多様でそれぞれの大学の方針に任されている現状にある。緩和ケアに関する卒前教育の内容を標準化する必要性の示唆を得た。次に東京医科歯科大学の三宅先生より、がんプロフェッショナル養成プランにより臨床腫瘍学分野が新設され、新たに始まる緩和医療学の講義を報告していただいた。また、島根大学医学部の齊藤先生より、1週間に集中したPBLチュートリアル講義について、学生が主体的に作成した魅力的なロールプレイをご紹介いただいた。また、神戸大学医学部の木澤先生からは、全国で統一した緩和ケア学習到達目標の報告をいただいた。さらに、カナダやオーストラリアの卒前教育にも触れていただいた。自治医科大学の丹波先生からは、日本財団の寄附講座で作成したモデル的なカリキュラムのご報告をいただいた。討論では、今後、緩和ケア教育のリソースを市民、卒前、卒後のカテゴリー分けをして、web上で公表をしていくことが提案された。とくに、卒前教育では、自治医科大学や島根大学の講義などの特徴的な講義、他大学でも実施可能な講義を発信し、どの大学でも取り入れていくことができれば有用である。医師国家試験への出題の促進と対応、緩和ケア教育としての緩和ケア病棟の必要性についても討議された。緩和ケア病棟は大学病院内だけなく、近隣の緩和ケア病棟との連携が提案された。臨床実習の拡大化があり、系統講義の縮小がある。医療面接でも病名・病状説明を組み入れる可能性が高く、バッドニュースの伝え方など、PEACEプロジェクトで積み上げてきたコンテンツの応用も可能かもしれない。

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