Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.58
日本緩和医療学会ニューズレター
Feb 2013  58
学会印象記
第18回 日本臨床死生学会
「スピリチュアルケアの実現に向けて- 理論・実践・制度-」
埼玉医科大学 国際医療センター 精神腫瘍科  石田 真弓
 スピリチュアルケア。この言葉の定義や考え方は、さまざまな場面で、さまざまな立場から議論されています。しかし、議論されるべき最も大切なことは、それぞれの定義に基づいて具体化されたスピリチュアルな「ケア」そのものではないでしょうか。
 本大会は、スピリチュアルケアの具体化に焦点をあて、医療、看護、介護、教育、広くは人間の生き方を考える機会として開催されました。
 まず、本大会では「ロゴ・セラピー、意味中心セラピーとスピリチュアリティ」「人生を意味あるものにするポジティブ心理学と意味仮説」として、Paul Wong博士(カナダ・ウェスレアン大学ヴィクトール・フランクル研究家意味中心カウンセリング研究所長)による2日間にわたる特別講演が行われました。ロゴ・セラピーと意味中心セラピーでは、がん患者とその家族が抱えるスピリチュアルなニーズに応えることができると考えられており、その歴史から基礎的な知識、実践方法を直接学ぶ貴重な機会となりました。
 さらに、スピリチュアルケアの実践として「人間成長を目指すケアの実践- 死、人生全体を見直すとき」と題されたシンポジウムTが開かれ、高木真理氏(武蔵野大学看護学部)、原敬氏(さいたま赤十字病院)、小西達也氏(爽秋会 ャプレン)がそれ ぞれの立場から事例を踏まえつつ、スピリチュアルケアの実践とそのために出来ることを具体的に話され、知識を得ながら、臨床に活かすエッセンスを持ち帰りました。
 日本臨床死生学会は「死生について考えること」を中心に据え、多職種が積極的に参加しています。本大会でも、医療者のみならず、教育者や宗教者が多く参加し、シンポジウムをはじめ、その他の演題も多くの視点から「どうすればスピリチュアルケアは実現されるのか」を議論していました。
 本学会に参加し、さまざまな視点から死生を考えることを通して、「スピリチュアルケア」の初心に立ち戻り、何が大切なのか、何をすべきなのかを再考する機会を得たように感じました。

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