Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.57
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2012  57
学会印象記
第6回日本緩和医療薬学会年会 緩和医療のブレイクスルー
〜行動する薬剤師に向けて〜
長崎県島原病院  才木 茜
 第6回日本緩和医療薬学会年会が2012年10月6日・7日の2日間、神戸国際会議場・国際展示場にて開催されました。
 平井みどり会長(神戸大学医学部付属病院薬剤部)の講演で、メインテーマ『緩和医療のブレイクスルー〜行動する薬剤師に向けて〜』に込めた思い、これからの医療のキーパーソンは薬剤師であり、薬だけでなく患者さんともっと近い存在になること、日本の薬剤師の強み「基礎研究の知識」を臨床に活かして薬剤師の活躍の場をさらに広げていくことなど緩和医療における薬剤師のこれからについて熱いメッセージが語られました。
 特別対談として日本緩和医療学会・日本緩和医療薬学会それぞれの創立から深くかかわってこられた恒藤暁教授と加賀谷肇教授の意見交換で、緩和医療の将来を見据えた教育として医師のPEACEプロジェクトと同様に、薬剤師の緩和医療における知識、態度を磨くPEOPLE(Pharmacy Education for Oncology and Palliative care Leading to happy End-of-life)プログラムが本学会でスタートしたことが紹介されました。今後、全国各地でPEOPLEプログラムが開催され、緩和医療にさらに貢献できる薬剤師の育成が期待されます。
 個人的に一番興味深かったシンポジウムは『NSAIDsとアセトアミノフェンの基礎と臨床』です。臨床で使用頻度の多い鎮痛薬ですが、薬理学的プロファイルに関する最新の基礎研究の知見と、臨床での使用経験をすり合わせて考えると臨床で当たり前と思って行っている薬物療法が薬理学的プロファイルからは矛盾していることなど薬剤師として知っておくべき知識を得ることができました。さらにディスカッションでは、非オピオイド製剤開発の可能性について熱く議論が交わされました。
 比較的ゆったりとしたスケジュールでしたが講演・シンポジウム・口頭発表・ポスターどれをとっても聞きごたえのある内容で多くの刺激を受けました。全国各地で緩和医療を担う薬剤師のそれぞれの活動を肌で感じ「明日からまた、がんばろう!」と気合いを入れてくれた年会でした。

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