Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.57
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2012  57
学会印象記
第3回精神腫瘍学研修セミナー参加記
ピースハウス病院  齊藤 英一
 第25回日本サイコオンコロジー学会総会前日に開かれた第3回精神腫瘍学研修セミナーに参加しました。このセミナーは「がん患者家族に精神的ケアを!」をテーマとしており、今春と今回参加した2回のセミナーは、がん患者家族の精神症状の包括的アセスメントと実践についてグループワーク形式で学ぶスタイルでした。前回との大きな違いは職種別にコースが設けられた点で、今回は精神腫瘍医・精神科医と一般医療者コースで行われたようです。また前回は「せん妄」を中心に事例検討と講義が行われましたが、今回は「抑うつ」が主題でした。「シリーズでセミナーに参加することで種々の精神症状に対応できるように毎回主題を替えて企画します、どうぞ続けてのご参加を」とアナウンスされています。
 参加した一般医療者向けのセミナーでは、テーブルごとに席に着いた瞬間に即席のPCTが誕生するというシナリオを参加者は知りませんでした。さらにPCTのサイコオンコロジストはバケーションで不在と言う設定も。これはコース別にセミナーを設定した苦肉の策だと思いましたが、そんな状況でうつ症状を疑う患者さんに「CAS:Comprehensive Assessment Sheet(包括的アセスメントシート)を使って即席のPCTがいかに介入するか」というのがタスクでした。精神科医に頼らず問題の焦点を明確にさせるという学習効果もさることながら、これは現実的に精神科医のいない多くの病棟で、がん患者家族の精神心理ケアを行う際のよい雛形になると思いました。また用いたCASは、春のセミナーでは「升目」と揶揄されていましたが、問題を漏れ落とすこと無く拾い上げ、整理し、方向付けるために有用なツールだと思います。PCTでの精神心理ケアのアセスメント、とりわけ精神科医がいない状況ではぜひ導入をお勧めしたいと思います。
 オンコロジスト、専門看護師、緩和ケア医、MSW、薬剤師…のメンバーでアセスメントとプランニングを各テーブルで行い、その後に分かち合い。そして呈示された症例に関する精神症状の講義を講師の先生がして下さる。このセッションを2回行うのに6時間と言う時間は瞬く間に過ぎました。次回のセミナーも心待ちにしています。

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