Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.57
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2012  57
口演12
告知・コミュニケーション、呼吸器症状、皮膚症状
座長・報告  藤井政雄記念病院 緩和ケア科、総合診療・地域医療科  足立 誠司
 本セッションでは、告知・コミュニケーション、呼吸器症状、皮膚症状について8題の発表があった。
 演題1:終末期がん患者の家族介護者が女性、比較的若い世代、患者の配偶者の場合は、医療者に対して治療や患者の状態について詳細な情報を必要としていると報告があった。家族との面接は、家族背景や家族の気がかりに配慮することを再認識した。
 演題2:再発乳がん患者への早期緩和ケア介入が終末期ケアの質を高める可能性があるとの報告であった。どの地域でも早期からの緩和ケアの実践を期待したい。
 演題3:癌終末期呼吸困難への持続くも膜下モルヒネ投与5例の有効性が報告された。今後、症例を重ね有効性や安全性が認められ実用的な治療法となるか期待される。
 演題4:中枢気道狭窄の呼吸困難への気道ステント留置10例では症状緩和が認められ、予後の延長効果の可能性が示唆された。
 また演題6では、薬物療法が検討され、中枢性気道狭窄のある群は、ない群に比べてオピオイド投与量は少なく、ステロイド投与量が多いことが指摘された。症例により薬物療法、非薬物療法(気道ステントなど)の適応が重要となる。
 演題5:終末期肺癌患者62例の感染症への血液培養、抗菌薬投与は、肺炎合併での有用性は乏しく、再検討の余地があると報告された。終末期患者の感染症への抗菌薬や検査の適応を十分に考慮したい。
 演題7:終末期がん患者の手掌点状出血3例の報告があった。対称性に手掌のみの点状出血が特徴的で、出現すれば予後不良となる。新しい発見で興味深い報告であった。
 演題8:乳癌の出血、浸出液、悪臭に対し3種類の院内製剤を患部状態により使い分け、一部調剤変更で個別対応している報告であった。薬剤師の積極的な関わりがQOL向上に寄与すると思われた。
多岐にわたる内容で、緩和ケアの現場でのニーズの多さを物語っていた。それらに適切に対応しようとする医療者の姿勢や取り組みが報告され、示唆に富む内容であった。

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