Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.57
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2012  57
口演11
地域連携システム・地域緩和ケアチーム
座長・報告  福山市民病院緩和ケア科  古口 契児
 本セッションでは9題の発表があり、地域緩和ケアネットワーク構築のための取り組みが発表された。
 演題1:送り出す側の病院医師が在宅への視点を持つことが必要であることと、交流の場や患者の意向を把握した退院前調整システムを構築する必要性が報告された。
 演題2:地域における専門的緩和ケアの提供に関する問題点が報告され、体制・連携上の4点と人的資源・教育上の2点の問題点が指摘された。検討の場を持ち続け、地域として取り組むことが必要と思われた。
 演題3:クラウドを活用した地域医療支援システムであるEIRが紹介され、パスとITを用いた正確かつ迅速な情報共有が興味深く、在宅での有効活用に期待がもてた。
 演題4:情報提供書・クリニカルパス・わたしのカルテの3つのツールを用いた情報共有の発表で、ツールを介してお互いに顔の見える連携が促進したことが印象的だった。
 演題5:在宅療養の希望が叶えられなかった事例検討の結果、早期からの介入と早急な対応・在宅の啓発・在宅コーディネーターの制度化の必要性が報告された。
 演題6:鎮痛補助薬使用における薬薬連携の報告で、病院薬局側が使用目的を記載した説明書を作成することにより患者説明・服薬指導が容易となり薬薬連携にも有用だった。
 演題7:連携パスを軸とした施設A(病院)施設B(訪問診療)・施設C(訪問看護)間のネットワーク構築の報告で、役割分担を明確にすることで有機的に機能しているのが印象的だった。
 演題8:地域の「緩和ケア事例検討会」に参加したコメディカルの方々が「PEACE研修会」にも参加できるようにした報告で、二つの会が地域連携の両翼を担っていることが判った。
 演題9:OPTIMプロジェクトにおける病院側の「在宅の視点」の変化の報告で、意識・対応の変化により在宅移行率が明らかに高くなったことが印象的だった。
 各地域での具体的な取り組みを知ることにより、在宅緩和ケアに携わる者として知恵と勇気と希望が与えられたセッションだったと思う。

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