Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.57
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2012  57
口演
若手奨励賞
座長・報告  東京医科大学病院 緩和医療部  下山 直人
 今回、若手奨励賞の座長を担当したので報告いたします。緩和ケア領域全般にわたり、全8演題が発表されました。評価尺度の開発などの研究としては、緩和ケアチーム主導による悪液質評価の試みー携帯式体組成計スキャンボールでの筋量評価、病院医師の入院患者に対する在宅医療の視点評価尺度の開発と信頼性・妥当性の検討、がんのリハビリテーションにおける新たな身体機能評価スケールCFASの開発が、観察研究としては、小児における緩和ケア家族ケア、一般市民から抽出したがん患者の遺族による終末期医療の評価;死亡場所別の検討、スピリチュアルペインへのチャプレンの役割に関する研究、緩和ケアチームへの依頼内容と活動実態に関する多施設調査があげられました。そして、フェンタニル持続静注から経皮吸収剤への移行に関しての研究で締めくくられました。いずれも緩和ケアに関しての日常臨床における疑問に対する解決策を検討する上において、背景因子を検討すること、現状を評価するための評価尺度の開発など重要な研究が若手研究者の参加によって行われていることが確認できました。そして、そのような研究基盤としての大学系の研究施設の充実化も明るい話題であったと思います。ただ、がん患者の苦痛緩和に関する新たな技術の開発、新しい薬剤の開発など、そして基礎研究との連携による臨床研究などの介入研究に関しての発表がほとんどないことは、非常に残念でした。本学会の今後の課題として、若手研究者に介入研究を行わせることができるよう、研究推進委員会改め学術委員会の役割が重要となってくるように思いました。表彰されたのは、大学系研究施設において、有能な指導者の元で行われた研究でした。

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