Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.57
日本緩和医療学会ニューズレター
Nov 2012  57
シンポジウム7
小児の緩和ケア
〜これからの小児緩和ケアのシステムを考える〜
座長・報告  大阪大学医学部附属病院 小児科  宮村 能子
座長   大阪市立総合医療センター 緩和医療科兼小児総合診療科  多田羅 竜平
 小児医療において療養を要する子供たちに必要十分で質の高い包括的な緩和ケアを提供することはこれからの課題である。しかしこれらの実践はいまだ十分になされておらず、現状を理解しつつそのシステムを考えていくことが重要である。
 今回、6名の先生にご登壇いただきそれぞれの立場からご講演賜った。大阪市立総合医療センター多田羅竜平先生からは、小児緩和医療におけるシステムを発展させていくためには、基本的な理念や技術を習得しチーム医療の充実をはかり、さらに地域との連携も重要であることなどが総括的に提示された。また、静岡こども病院緩和ケアチーム天野功二先生は、小児病院における緩和ケアチームの役割やありかたについての解析を示され、今後の展望についてお話いただいた。国立病院機構大阪医療センター緩和ケア内科里見絵理子先生は、成人の総合病院における緩和ケア医の小児緩和ケアへのかかわりと取り組み、役割について示された。またピースクリニック中井永山淳先生からは、高次医療機関と地域のプライマリ小児科医の連携について、さらに緩和ケアの視点でのケアプラン(hospice at home)の重要性について示された。名古屋市立大学病院緩和ケア部伊藤嘉規先生には、小児の緩和ケアにおける心理士の役割と今後の課題についてお話いただいた。また、聖路加国際病院看護部鳥山祐子先生は、思春期患者における終末期医療のありかたについて症例検討を通じて報告された。フロアからも小児緩和ケアシステムに対する積極的な質問が多く寄せられた。
 小児医療の多分野において、緩和医療は重要な役割を担っていくことの再確認と、質の高い緩和ケアを提供するためのシステムづくりの重要性とその方向性について、多職種の先生からそれぞれの立場での意見と問題点の提起がなされ、多くの議論が展開された。今後の小児緩和医療の実践に直結する充実した内容のシンポジウムとなった。

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