Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.56
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2012  56
学会印象記
7th World Research Congress of the European Association
for Palliative Care
大阪大学医学部附属病院 薬剤部  村井 扶
 2012年6月7日から9日にかけてノルウェーのトロンハイムで開催された7th World Research Congress of the European Association for Palliative Careに参加する機会をいただいた。世界47カ国から678演題(過去最高)の登録で、1,100人以上の参加があり、日本からも11演題の発表があった。オープニングセレモニーでは、トロンハイム交響楽団による演奏があり、2日目の夜には北欧で2番目に大きいとされるニーダロス大聖堂でのニーダロス大聖堂少年合唱団とバイオリンのコラボレーションによるコンサートが開催されるなど、音楽に包まれた会であった。内容としては、「End of life care」「Other symptoms than pain」「Pain」「Assessment」「Health care services」「Research methodology」の6テーマをリサーチテーマとして掲げ、プレナリーセッションが3、招待演者によるテーマセッションが8、口述セッションが16、専門家と参加者との交流を基本とした指導型のセッション(Meet the experts)が8、ポスター発表が476題と、緩和ケアの領域に入って2年目の私にとっては、緩和ケアの幅の広さと奥深さを再認識させられる内容であった。
 その中でも、薬剤師である私にとってはPolypharmacyについてのセッションが印象に残った。がん性疼痛患者の多くは様々な症状や併存疾患のため、多くの薬剤を使用している。また、OTC薬やサプリメント等の処方薬以外のものも使用していることがあり、このようなPolypharmacyは有害な薬物相互作用の増加、ノンアドヒアランスの増加、入院や緊急治療室の受診を増加させるといった問題が挙げられていた。これらの問題を減少させるためには、処方を簡潔にsimpleにすることや、薬剤リストによる薬剤の再評価、不適切な薬物治療を判断するためのツールの検討などが必要とされていた。こうした問題は薬剤師が積極的に介入する部分であると再認識させられたセッションであった。
 会場内では一つのテーマに対し演者とフロアーが非常に熱く、そしてジョークも交えながらとてもいい雰囲気で討議されていることも印象的であった。私もいつかはその中に混ざって討議したいという気持ちが湧き上がり、強い刺激を受けとても充実した会であった。

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