Japanese Society for Palliative Medicine
News Letter No.56
日本緩和医療学会ニューズレター
Aug 2012  56
口演8
多職種協同
座長・報告  社会医療法人緑壮会金田病院 外科  三村 卓司
 チームで行う緩和ケアの実践について、10題の演題発表を拝聴しました。
 患者さんの希望実現のために800キロという移動を多職種で支え、実現させた各職種の能力が最大限に発揮できた1例。「DNR」の持つ言葉の意味、認識度について、多職種で行った一歩踏み込んだ検討。認定看護師ではなく外来看護師が行う緩和ケアの実践と協同。がん化学療法を行う際の副作用について、部署や診療科を超えた患者サポートの実践。多職種によるカンファレンスが病棟に起こしたイノベーションとその効果。非がん患者(慢性心不全)が終末期状態に陥ったときの、患者・家族をサポートするための多職種カンファレンスの重要性。がん終末期として緩和ケア病棟に紹介された患者さんをチーム一丸となり、複数科でサポートし自宅退院へこぎ着けた1例。医療者と患者家族の気持ちに乖離がある場合の癌告知場面で、看護師が行う実践知についての研究。緩和ケア病棟でボランティアの協力によるアロマセラピー、リフレクソロジーの実態調査。リンパ腫患者が有する強固な疼痛に対して、病棟看護師のきめ細かな観察と連携から、疼痛緩和がスムーズに行われた1例。
 多職種による連携された質の高いケアについて深く検証されている印象を受けました。科を超えたつながりや非がん終末期、DNRに対する解釈など、簡単なようでなかなか深く検証することの出来ない事例についても、フロアとの意見交換ができました。代替補完療法については、エビデンスの積み重ねが必要という認識が示され、他学会への情報発信の必要性も検討されました。
 緩和ケアにおける多職種アプローチの有効性が大いに期待されるなかで、多職種連携がスムーズに行われ、患者さんQOL向上に邁進している現場の息吹が感じられるすばらしいセッションでした。ありがとうございました。

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